* ページ15
・
とんとんと肩を優しく叩かれ静かに開くと髪を綺麗に結われ口元には紅を引き幼さが残るほどだった頃とは大違いに変わっていた
…誰?
ぺぽちゃんは鏡越しから似合ってるよと言わんばかりに微笑んでいたが私は硬直しその姿が本当に自分なのかと少々疑っていた
「Aー、終わりましたか?」
その声と共にぺぽちゃんは障子へと近づいて引き戸のほうに手をかけた。私が待ってと手を止めようとした途端その扉は開いてセンラさんの姿が目に入った
彼は私を見て目を丸くしていたが一瞬固まっていたが次第にその表情は柔らかいものに変わっていった
それに伴いぺぽちゃんは業務が終わったためかふりふりと袖を揺らしながら手を振ってその姿を煙の中へと消してった
「似合ってますよ。とても可愛らしいです」
彼は私の体を正面から抱き寄せ、羽のように優しく頭を撫でてきた。花の上品な香りが彼の存在を示すもので気づいたのは少し時間が経った頃だった
急な出来事だった為私はおもむろに反応出来ず腕の中でわなわなと鼓動を早めていくばかり
「耳、真っ赤ですね。紅色の椿みたいです」
頭をセンラさんの胸の方へと引き寄せられ少しだけ力を強められた。囁きを入れられた耳には熱が収まりきらない
一々動きが無駄にカッコよすぎるんだよこの人は!!
彼の妖の怪しげな雰囲気と頭上から優しく語りかけてくる声はあまりにも刺激的すぎて私にとっての毒だった
「ほ、ホントにやめてください!というか、からかってますよね!?」
「ふふっ、それはどうでしょうか?」
絶対からかってる!!なんか楽しそうだし!
手のひらで転がされてるような屈辱感が残りながらも私は反論しようと上を見ると突如視界が何かで塞がられるように真っ暗になった
唇に触れる柔らかさと近くなった華やかな香り、一瞬だけ感じた暑すぎる熱
初めての
・
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます!そんな前から見ていただいて嬉しいです!気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います!続き待ってます!楽しみです! (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ