一夜明け ページ18
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畳のような落ち着いたい草の香りと雀の囀りで重たかった瞼をゆっくり上げて意識を少しずつはっきりとした物にしていく
身体を上げて自分の身につけているものを見ると白絹の寝間着が着用していて周りを見れば自然の風景が描かれた掛け軸や火が消えている有明行灯などが置かれており昨夜のことは夢じゃないんだと改めて理解した
タイムスリップなんて…そんなの少女漫画の世界かっつーの。私そんなにヒロイン気質じゃないしさ無自覚とか純粋さとかもうどっかに行ったよね。
「A、起きましたか?」
障子の向こう側から誰かの影が見えたがその人の正体は狐耳と四本の尻尾が特徴的なので私はそっと開けた
差し込んできた朝日のせいで一瞬目を眩ませたがその明るさに慣れてきて視界を凝らすと美しい黄色の髪を太陽の下で反射させるセンラさんが静かに微笑んでいた
「おはようございます」
「おはようございます…ところでそのような格好は俺の前で見せるとはAも大胆ですね」
えっ?…あ、そういえば江戸時代の寝間着って下着と同じ意味をしてるって教科書に書いてあったような……
下着!?
「すみません!はしたないものを見せてしまって!!」
私は開けていた障子をピシャリと勢いよく閉めて熱くなった顔を両手で隠した。後ろからクスクスと聞こえてくるセンラさんの笑い声に私は恥ずかしくて顔も見られない
しかも昨日あんな綺麗な人にファーストキスを取られたなんて…
「俺は畳の間にいますから準備が終わったら来てください」
「わっ、分かりました…」
彼の足音が遠くなり私はしゃがみこんだ。
ホントなんでこんなに顔が赤くなるのが意味わかんない…
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夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます!そんな前から見ていただいて嬉しいです!気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います!続き待ってます!楽しみです! (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
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