ガラスの花に麗しいキスを３【歌い手】

・ ページ48

・



あの後浦田さんが来て体の状態確認などの診察をした結果何ともなかった

倒れた時に奇跡的に外傷を負うこともなく一応今後も様子見だけはしておくとのこと。

そして私は気を失っていた時に見たものを全て話してみることにした。すると浦田さんは目を見開いて一驚としながら聞いていたがあっさりと信じてくれた。


「…坂田、この話俺の解釈だけど『鏡の国』関連のものかもしれない」

「え？鏡の国？」


鏡の国という話はまともに聞いたことがなかった。てっきり子供のお伽噺として扱われているものなのかなって思ってたから。

しかしそれは表向きには公表されていない慎重な部分らしく国で専門的な研究をしている所もあるらしい


「もしかしてエンゼルホープとの関わりもあるんじゃないか？」

「…まぁ、一応それらしきものは見つけてみたけれども」


すると坂田様は一冊の分厚い本を私の目の前に差し出した。タイトルには『ミラージュ』と記されていた

英語にすれば“儚い夢”という意味合いもあるけど…

どうやら書いたのは初代のエンゼルホープの大貴族様らしく、しばらく本をパラパラと捲っているとある一説の内容が書かれた文章と私が見た天秤の挿絵が載っていた。


『エンゼルホープには強力な魔力を持つ“レインボークリスタル”が慎重に保管されているがそれと同様に共鳴している可能性として鏡の国“ミラージュ”にあるゴールドバランスが有力だと考えられる』

「ゴールドバランスって俺が考えるにAが見た天秤のことやと思ったんやけど」



どう？と坂田様に問われるけど確かにそんな気がするようなしないような。

というか曖昧なんだよね。その記憶が本物か夢かすらも分かりづらいから。



「あの、私の魔力については何か分かりませんでしたか？」

「ごめん。それについては一応調べてみたんやけどここでは力不足やった。けどもしかしたらまふの国に行ったらわかるかもしれへん」



・

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す