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「えっ…」
その言葉と行動はあまりにも急にきたもので、頬の辺りにぶわっっと熱がこもりきっていた。
こんな街のど真ん中でプロポーズされているため、周りにはひそひそとした声が聞こえてくる。
脳の処理が追いつかず混濁としていたが、彼は私の表情を楽しむかのようにニヤニヤとこちらの反応を待っているような感じだ。
「俺はお前のこと気に入った。そばにいてくれれば俺も少しは楽しめるかもしれないし。」
「…お」
「お？」
「お断りです！！」
彼は呆気に取られたかのように「は？」と言葉を零した。
いやいやいや、私と同じ格差の人じゃないし！！ましてや興味を惹かれる存在を間違っている。もっと周りには素敵な女性もいるのに！
「…拒否されたのは初めてだ」
な、なんで逆に興味を持っちゃったような感じになってるんですか！？
彼はすっと立ち上がり、私の耳元まで唇を近づけわざとリップ音を鳴らした。「ひっ」と少し悲鳴を上げてしまい、周りのざわつきが止まらなかったが彼はそんなのお構い無しに私に問いを投げ掛けた。
「お前の名は？」
「…そんな、名乗る程のご身分ではないので」
「いいから、じゃねーともっとやばいことするぞ？今ここで。」
「AAです」
あれ以上見苦しいところを他の方々に見世物のようにされるのはごめんだと思い、すらっと自分の名を口で告げた。
すると彼はふっと口の端を持ち上げ、姿勢を整え直した。
「改めてサニーフォレストの代表、浦田渉です。以後お見知り置きを“オジョウサマ”？」
口調ぶりではわざとふざけながらも綺麗なお辞儀を見せるものだから何故か少し悔しかった。
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作者名：夜紅茶 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時：2019年3月18日 7時
