Demons Lock【志麻】

sugar×15 ページ16

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目を瞑っていてもその衝撃はいつまでたってもこなかった。それもそのはず横から飛び交ってきた声によって制止されていたから

ゆっくりと恐る恐る目を開くとそこにはみなみの手首が誰かの手で掴まれて止められていた。


「生徒同士の暴力行為は風紀の乱れなのでやめてくださいね」


アシンメトリーのサルファーイエローの艶やかな髪に柔らかく溶けた蜂蜜のようなミモザの切れ長な瞳。大人びた端麗な容姿がみなみの行動を止めた

しかもその人はスラリとした黒の少し薄手のカーディガンに白のVネックシャツ、紺色のジーパンを着こなして手には『政治経済』と書かれた教科書を片手に持っていた。

この先生見たことない。周りも誰という反応がちらほら見え隣のクラスからも廊下のザワザワという騒ぎが止まらなかった


「…まぁ今日は目を瞑ってあげるわ。次はないですよ」


はんなりとした方言でとりあえず席につけと咎められた為その騒ぎはすっかり丸く収められた

凄いこの人。見るからにイケメンの部類に入るのは間違いない。


「あ、それとAさん。あとで準備室の方に来て。話あるから」

「えっ」


何故か私だけ指定で呼ばれ周りの女子からの視線がこちらに痛いほど集中した。ヒソヒソと陰口を言われるが彼は静かにと声をかけると皆は話をやめた

いや何故私？確かに悪いことはしたけど何故私だけ？というか名前どこで知ったの？


「政治経済の榊原先生が先日妊娠休暇を取ったとの事で臨時で入った折原千里です。気長にセンラ先生とかまぁ適当に呼んでください」


黒板につらつらとお手本のような綺麗な文字で書かれた名前が綴られていく。

…というかセンラってすごいニックネームだな。どこで言われてんの。

しかしそんなことも気にせず大半の女子は黄色い悲鳴をあげたり頬を赤に染めている者が沢山いた。



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