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現在の時間を知りたいと思い、また部屋から注意も何もせずに出てきてしまった。それにさっきみたいな事を思い出せば自然と気が緩んでしまう。

しかし運も悪かったのか、偶然開かれていた扉の先に人殺しをした吸血鬼が佇んでいた、なんて誰が予想できたか。もちろん覗きの趣味なんてものもない。


「お、センラに喰われてない。珍しいなぁ」

「い、色々ありまして」

「色々?」


急な出来事に私は上擦った声で言葉を返せば疑問を抱かれる。すると志麻さんは少し多めに鼻の方から空気を吸った。


「うらたさんか」

「え?そうですけど」

「…ちょっとお前の頭の中見るわ」


頭の中を見る?何、内部とかの話?

とんでもない発言に私はさらに体は震え出す。志麻さんはこちらへと足を運んですっと目を見開く。するとそのネプチューンは輝きを増し、光を発した。


「…っく、はははっ!!なんやこれ!」


すると突然お腹を抱えて原因不明の何かに対して大声で笑い始めた。けどあれ、もしかして…。


「久々に見たわ。こんなカオス空間」

「あ、やっぱり見えました?」

「センラが気絶させられるの150年振りくらいやぞ。面白くないわけがないやんけ」


いやそんな当たり前に言ってるけれども一世紀半くらいのセンラさんの事情なんて知るわけ無いじゃないですか。

けれどあれは確かに私から見ても状況を判断できないほど頭が追いつかなかった。それを横に涙を貯めながらげらげらと笑うのも致し方ないと思う。

だって正直面白かったんだもん。


「というか今どうやってそれが見えたんですか?」

「あー…まぁ能力みたいなもんっつーの?俺達は通常の怪物とはちょっとだけ違うから魔力以外にそれぞれ一つだけ異なった力を持ってる。俺の場合簡単に言えば『透視』」


どうやら私が主体的に見て感じたことを同じように読み取ることが出来るらしい。頭の中へ映像化して流れ込むんだとか。下手したら録画専用機材よりも万能だ。


「あとお前の今日の下着のパターンとかも分かるけ」

「それは見ないで結構です」


ぶっ飛んだ発言に対して私は咄嗟に口を挟んだ。というかそれをやった時点で全人類の女性を敵に回すことになる。


・→←吸血鬼に色



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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月2日 21時

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