風磨の彼女は手に負えない。 (ページ34)

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『大丈夫。大人だもん。
自分で帰れるよ。』

ふぅーっとまた深呼吸をして
飲み会に戻ろうとする。

その手をそっと握った。

「1人で勝手に大人にならないでよ。
俺、彼氏だよ。頼ってよ。」

毎日思ってる。

これが俺の本音。

Aは本当に強い。

何でも1人で乗り越えられるし、
何でも1人でこなせてしまう。

もっと俺を頼ってほしい。

俺無しでは生きていけないくらいになってほしい。

Aを気遣ってると見せかけた
俺の弱音。

でも彼女はそんな俺の本音をわかってたみたい。

『やっぱり私の自慢の彼氏に迎えにきてほしいな。』

そんな一言が俺を強くしてくれる。

簡単なんだよ、俺って。

「わかった。車横付けするわ。リムジン買った方がいいよね？」

そしてすぐ調子に乗るから、俺だけは。

『お願い。1km以上先のパーキングに停めて待っててほしい。』

マジでごめん。

リムジン買うのはやめとくから

もうちょっと近いところに停めさせてほしい。

『そろそろ戻るね。みんなが心配するし。
また終わる時間がわかったら連絡するね。ありがとう。』

手を振りながら戻っていく彼女。

お願いだから1秒でも早く帰ってきてほしい。

俺もそろそろ樹の所に戻らなきゃ。