風磨の彼女は手に負えない。 (ページ29)

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データチェックをすると

最初と最後で全く違う表情の私たち。

目黒さんはこれを狙っていたんだろうか。

その後もシャワーに濡れるシーンや、

窓際に寄りかかって撮るシーン、

いろんなシーンで撮影して無事、終了した。

綿「世に出すのがもったいないくらい
いいの撮れちゃった。」

お褒めの言葉もいただき、
終始リードしてくださった目黒さんに大感謝。

『目黒さんありがとう。私全然ダメだ。
経験が無さすぎます…。』

目「そんな事ないよ。Aちゃんのピュアさがないと
最初の表情は出ないんじゃない？」

なんて優しいフォロー。

綿「そうよ。そして最後の表情。
恐ろしい子が出てきたとは思ってたけど、
今回も想像以上だったわ。ありがとう！」

目黒さんは絶対にモテるんだろうな〜なんて
素人みたいなことばかり考えていた私に比べて

ずっと私を気にかけてくれていた目黒さん。

目「風磨くんに謝っといてね。」

風磨への気遣いまで。

『めんどくさそうなので、気付くまで黙っときます(笑)』

なんて言ったものの、
まさかのフラゲして帰ってきた風磨。

「俺、彼氏よ？
なんでファンの人達と同じタイミングで知るんだよ！！！！」

相当不機嫌だ。

でも特集で学んだ通り。

“男女が求め合う夜”だからね？

いつもは風磨から求めて来ることがほとんど。

私だって、風磨を求めなきゃ。

恥ずかしいけど、風磨の機嫌が直るなら…と思って

意を決した夜だった。

「今日はananの特集通りだったね。」

ベッドの中で得意げな風磨。

『……今日が最初で最後だから。』

なんて言いながら顔を真っ赤にしてそっぽを向く。

そんな私を後ろから抱きしめてくる。

『ふーまが求めてくれるの…嬉しい事だね。』

改めてそう感じる。

「え、もう一回抱いていい？」

なんて前のめりで言ってくるもんだから

さすがに後悔して寝たフリで貫き通した私だった。