【d！】弱肉強食の世界で最弱の私:2

何だこいつ ページ9

　
　
『…くしゅっ!! 』

　校舎から離れた後鉢合わせしてしまった敵チームから絶賛逃げてる最中にくしゃみが出た

　また誰かが私の事噂してるな

「待て!! “大蛇(オロチ)”周りこめ!! 」
「戒めの鎖(ファイア・バン)!! 」

　後ろから鎖が飛んでくるがジャラジャラうるさいので確認するまでもなく避ける

　走りながら魔力探知をすれば後ろの二人とでかい蛇1匹に加え、前方の死角に一人とその向こうにもう一人

　追い込んで挟み撃ちってとこか。だいぶ時間が経って人数が減ってきたし徒党を組んで一時共闘するのも普通にあるよな。クソ面倒くせー


　校舎に入って撒くか


　方向転換し校舎の窓の凹みを利用して自前の脚力で校舎を駆け登っていく

「あっ!! ずるっ!! 」
「大蛇!! 叩き落とせ!! 」

　何がずるいだ。四人がかりでか弱いネズミ追いかけてる野郎共に言われる筋合いねぇんだよ!! バーカ!!

　背後から頭だけで私の倍ある巨大な蛇が私を地面に叩き落とそうと迫って来る

『あっラッキー。』

　ちょうど隙間が空いてる窓があったのでそこに飛び込んだ

　ガンッ!!

　デカすぎて窓に入れなく校舎に頭をぶつけた巨大な蛇。チビで良かったぜ。この体脆弱すぎて基本いい事ないけど今はチビで良かったと心から思う



「うわっ何⁈ ……やべっ⁈ 」

『あっ……。』



　飛び込んだ先に先客がいた

　驚いた様に私の方に振り返った眼鏡かけてる女子生徒。目を見開き避けようとするが空中でそんなことできる訳もなくスローモーションに近づいていく感覚


　あーぶつかるー(無)


「あだぁ"———!!」
『ぶ……っ!! 』

　抱きつく様に女子生徒に突っ込んで転がり、気づけば私がなぜか押し倒されてる状況になっていた


『「……。」』


　顔面ドアップに映る造形美。右は黒髪左は白髪の特徴的なぼさっとした長い髪。真っ赤な右目と対照的な金色の瞳。凹凸のない綺麗な肌に赤みがかった健康的な唇


　クソみてぇに顔いい女子とぶつかった(無)


「うわっさっきヒロインと一緒にいた同じチームのモブA子じゃん。」ﾎﾞｿｯ

『は? 』

　えっ何こいつ? ヒロイン? 独り言のつもりかもしれないけど聞こえてんぞ。何だこの半分野郎

「あっすいません。今すぐ退きますね、はい。」

『こちらこそ突然飛び込んできてすいません。大丈夫ですか? 』

「ご心配なく。」

　そう言い立ち上がった半分野郎

「モブA子小さすぎて気づかなかった。」ﾎﾞｿｯ


　失礼だなこいつ

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