【d！】弱肉強食の世界で最弱の私:2

本音はアウトかぁ ページ47

　
　
os「Aちゃんって好きな人とかおるん? 」

『…いないですね。学生の間は学業に専念したいと思っていますので。』

　絶対に嘘はつかずに本音で話す

　ただでさえ王堂先輩は人の仕草、呼吸、視線の動かし方一つで相手の感情を読み取る対話スキルがカンストしてる

　私を推薦したのは100%コイツ

　今回私が生徒会の推薦を蹴る上で1番の障害。下手に嘘つけば直ぐに密告、反乱分子大好きっ子である魔王の興味メーターカンストする事間違いなし

os「チーノにプロポーズされとったんはどうなん? 一国の王子様やで? おとぎ話みたいでときめかんかったん? 」

『……フィクションと現実は違いますよ? おとぎ話は現実じゃありえない”理想”だから人気なんです。』

os「でも人間は現実に理想を求めるものやろ? 」

『……私は現実を見て堅実に生きる方が性に合ってるので。』

　現実見ないで空想に縋って生きるような”馬鹿がやる事”私はしない。現実逃避する暇があるならいくらでも状況を打開する為の努力をする



　そうすれば自分の意思で生きる事ができるから



os「……堅実に生きるのって幸せなん? 」

『……幸せですか? 』

　は? 何言ってんのコイツ


『生きる事に幸福求める必要があるんですか?』



　シーン……



　あれ……? 何か全体の空気が重いぞ?


　発言ミスったか


　やっぱダメだな本音を話すのは。親睦会の時に感情的になってグチツボの野郎と梅ねりに引かれてたのを忘れてた。失敗失敗


　心なしか王堂先輩の笑みが深くなってるし


　やっぱり多少リスク犯してでも模範的な解答をする方向にシフトチェンジした方が賢明だな

os「…人間って人生に幸福を求めるから生きとるんちゃうん? 」

『うーん…少し私と違うみたいですねー。私は生きる事が第一なので、嬉しい事とか楽しかった事とかはあったらラッキーぐらいの認識なんですよね。』


　まぁ本音は「感情なんか捨てろ馬鹿が」何だけども、これ言ったら大多数から異議あり! と言われそうなので言わない


os「ふーん。」

　やっぱり怪しむよな…けど私はあの馬鹿どもが連行されて来るまで魔王に興味を持たれるわけにはいかない

『な、何か変なこと言っちゃいました? 』

　それに私はペ伸から学んだのだ。ずっと微笑んでると悪目立ちする事を。前世は社畜で接待人生だったから笑顔でい続ければ良かった


　だが今の私は学生


　その場に見合ったお手本のような表情と仕草を演じなければいけない

その場の最適解を→←同類同士仲良くね

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