【d！】弱肉強食の世界で最弱の私:2

隠れた狂気（gt side） ページ23

gt side

ガンッ!!

　俺の槍とAさんの”青い炎を纏った剣”がぶつかる。青い炎が頬に当たるとパキッと肌が凍った

　“冥界の炎”

　冥界の地底から噴き出すと言われている絶対零度の炎……らいしい

　がAさんがやっているのは自分の魂を無理やり魔力に変えている荒技。青い炎はAさんの胸から溢れ出している魂の悲鳴そのもの

　Aさんが流す鮮血が青い炎として体を燃やし続けている


　正気の沙汰じゃない


　魂と言うのはこの世に存在する生物共有にある概念。一部の戦乙女(ワルキューレ)と呼ばれる天使や死を司る神族にしか視認できない物


　魂と言うのは生命そのものであり魔力の源


　確かに魂を無理やり魔力に変えれば実質半永久的な魔力を得られる。実際、それを試した奴の記録がある


　だがものの数秒でそいつは自害した


　“自分の存在そのもの”を直接攻撃し別の物にへと捻じ曲げ続ける形容し難い苦しみ。記録によれば生き物であれば誰もが死にたいと願う程の精神の崩壊をきたす


　あまりの酷さに天界では史上最悪の拷問法としてあの悪魔の王(サタン)に使用した一度のみしか行われてない


　それ自ら自分に行うAさんの異常な精神


『Aさんこのままじゃ死にますよ。やってる事分かってます? 』

主「知ってますよ? 実際寿命がジリジリ燃えていってる感じがしますし……グチツボさんが降参してくれるんだったら今すぐ辞めますよ。」


　ニコニコと微笑みながら答えるAさん


　生きる為なら自らの手で命を削る事を簡単に選ぶ生への執念。俺の攻撃を理解し尽くした立ち回り。一撃で確実に俺の命を絶つ事が出来る攻撃に神経が研ぎ澄まされていく


　何よりその憎悪と殺意に満ちた目


主「でもグチツボさん辞めるつもりないですよね。凄く楽しそうですし。」

『……分かっちゃいます? 』

主「それはまぁ……凄い笑顔で殺そうとしてきますし。死ぬ気でやんないと死ぬので”たかが数十年の寿命なんか”惜しんでる暇ないですよ。」

『やばいっすねあんた。』


　入学式の時に感じた”恐怖”


　あの新しく入った生徒会の二人にもグラウンドで暴れ散らかしているハーフにも感じなかった生物としての本能の警告

　微笑みの下に隠された狂気じみた本性


　コイツが一番強い


『やっぱAさんが一番強いっすよ。』


主「半分死んだ様な状況の鼠の何処が強いんですか? 」(白目)


　互いの武器がぶつかり火花を散らした

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