10話 ページ16
待ち合わせ場所である甘味処に行くと霞柱様が
女の子に絡まれていた。
これはどうすれば……？
欄「彩黎？
行かないの？」
彩『い、行ってもいいのかな……。』
欄「僕が彩黎のお手伝いしてあげる！」
そう言って霞柱様の方へ走って行った。
女達「「キャー!!!
この犬何よ??!」」
霞柱様は何かに気づき欄丸を抱き上げた。
時「遅いよ！」
え？なんか近寄って来てる様な……。
時「……どうしたの？」
うわー、合わせろって目で訴えてらっしゃる。
まぁ、演じるのは得意だから合わせますか。
彩『何でもないですよ？
それより欄丸がお邪魔して
しまったんじゃ………。』
時「大丈夫だよ。
ただ、絡まれてただけだし。
それにしても今日の格好、綺麗だね！」
彩『そうでしょうか？
あまり着飾らなくても良かったのですが……
手伝ってくださった方々が
どうしてもと………。』
時「君は謙虚だなぁ。
どこぞの女とは違って(ﾆｺｯ」
そう言うと女の子達は走って行ってしまった。
それを見て歩き始めると霞柱様は私の手を握り
何故か機嫌がいい。
彩『霞柱様、さっきから嬉しそうですね。』
時「何の事？
ていうかそろそろ名前で呼んだら？」
彩『………時透様。』
時「無一郎。」
彩『……時透さん。』
時「無一郎。」
しばらく何かの攻防戦をして結局私が負けた。
彩『む、無一郎……。』
時「なに。」
彩『………いつ柱になったのですか？』
時「ん〜……忘れた。」
だめだこりゃ……。
彩『で、では……鬼が憎いですか？』
時「そりゃ憎いでしょ。」
あぁ……この人もまた鬼を憎んでいる。
鬼は虚しく、悲しい………寂しい生き物なのに。
下を向いて歩いていると鬼の気配がした。
鬼「あぁ……美味そうだなぁ！」
時「君、下がって。」
彩『っ………。』
何故、鬼は人を食べてしまうのだろうか……。
人を食べなければ………。
消えずに元に戻れたかも知れないのに。
前を向くと鬼が目の前にいた。
彩『"全集中(神の呼吸)伍ノ型 神隠し"』
一瞬で消えて背後に回る。
彩『"全集中(神の呼吸)参ノ型 蜃気楼"。』
ｻﾞｼｭｯ
時「え？」
あぁ、また頸を斬ってしまった。
彩『………無一郎、次の任務に行きます。』
そう言って走り出した。
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