秋が深まる（3） ページ9
次に目が覚めたら、もう窓の外は真っ暗になっていた。
時計を見ると時刻は19時半。
点滴のおかげか、さっきより全然苦しくなくて気分も良かった。
病室のドアが開いて、タイミングよく高地医師が入ってきた。
高「おー、大我起きたか。気分は？大丈夫か、よかった。
酸素安定してきたな〜、カニューレに変えようか。マスク邪魔だろ？」
高地医師は笑顔で話しつつ、手際よくパルオキシメーターを確認して酸素マスクをカニューレに変えてくれた。
大「…ねぇ、ほく、帰っちゃった？」
高地医師に言うつもりは無かったけど、なんとなく寂しくてポツリと呟く。
高「あー、さっきまでずっと居てくれてたんだよ。流石にもう夜だし、面会時間も終わるから帰っちゃったけど。明日、また来ますって伝えてくださいって言ってた。
北斗くん、礼儀正しくて、大我をすごく大切にしてくれてるよね。
大我、いい友達を持ったな〜。
意外と人見知りなとこあるし、医師、大我に友達できるか心配してたのに、そんな心配全然いらなかったね(笑)」
高地医師がさらっと毒を吐いたけど、こんなの日常茶飯事だから深く突っ込まないでおこう。
でも、ほくの人柄を褒めて貰えたのは単純に嬉しかったから、「でしょ？ほくは、すごい優しいんだから。」って、いっぱい自慢しておいた。
俺のほくに対する感情が友情を越えていることなんて、もうとっくに気づいてる。
けど、今の俺にとってほくを失うことはこの世で一番怖いことだから。
伝えてしまったら、ほくが離れていってしまうかもしれないから。
だから、この感情はまだ胸のうちにしまっておくんだ。
大「ね〜〜高地医師。俺、いつ退院、できるかな？早く、大学行きたい。」
高「え〜？まだ無理だろ！今だって息切れてるのに。
１ヶ月後には喘息のコントロールが出来て退院できるように、治療頑張っていこう。な？
さ、明日も愛しの北斗くんが来てくれるんだから、体調調えるためにも今日は早く寝なさい。身体は休息を求めてるんだから。」
退院できるまで、あと１ヶ月。辛い治療の日々が続くけど、ほくがいてくれるなら頑張れる気がする。
もうすぐ、秋が終わって冬が来る。
俺の誕生日までにはちゃんと退院して、誕生日はほくと一緒に過ごしたい。
この小さな願いを目標にして、カレンダーにこっそりと丸を付けた。
fin.
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ぽちた(プロフ) - しおさん» ありがとうございます！私もきょもほく大好きです(*^^*)短編をちょこちょこ更新していく予定なので、よかったらこれからも読んでみてください (2020年4月9日 13時) (
レス) id: cc0c2d56be (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - きょもほく大好きです！素敵なお話で、今後も楽しみです！応援しています♪ (2020年4月9日 0時) (レス) id: 46ec5817d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽちた | 作成日時：2020年4月8日 0時
