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休日が明けて仕事が始まっても北山さんからの連絡は途絶えたままだった………
「Aさん、大丈夫？」
「うん、元気だよ」
気づかうように隣を歩く玉森くんに
少しだけ安心してる
「そういえば昨日、ジムに行ってみたんだけどね〜…」
会話が途切れないようにしてくれているのか
今日の玉森くんはよくしゃべる……
「玉森くん……ありがとね……大丈夫だから、先行っていいよ。また勘違いされちゃうし」
最寄駅に着くとそっと離れてトイレへ向かった
ここで少し時間を潰せば別々に会社に入れる
「Aさん………全然大丈夫じゃないくせに……」
玉森くんにはきっとバレてるだろう……
泣き腫らした目を化粧で隠していることも
無理して笑っていることも
でも、そうしていないと糸が切れてしまいそう
もう戻って来ないかもしれない不安が
ずっと私を包み込む
会社に着くとさくらが嬉しそうに駆け寄ってきた
「A！お昼、あそこのパスタ行こうよ！」
「うん！いいよ！あそこ美味しかったもんね」
いつも通りを心がけて笑う
ちゃんと笑えてるかな………
幸い周りに何かを聞かれることなく
午前中の仕事が終わった
「あと半分………」
不安で、さくらと行ったパスタは
ほとんど喉を通らず
体調不良で押し通した
さくらには北山さんのことを言っていない…
今更こんな事も相談できない
「お疲れ様でーす」
「お疲れ様でーす」
聞き覚えのある声に顔を上げると
藤ヶ谷さんと玉森くんが外回りから帰ってきていた
「Aちゃん、このデータのココ間違ってる気がするんだけど…こっちと合わせるとここの数字おかしくない？」
「えーっと……あっ！本当だ！ありがとうございます！私、ミスってました………」
「やっぱそうだよね？よかった、俺も何となく見てて気づいただけなんだけどね！………ってあれ？なんか目………」
「いや、これはちょっとコンタクトが合わなかったみたいで腫れちゃって…」
慌てて目をそらす
藤ヶ谷さんは少し眉間にしわを寄せたものの
すぐ「そっか……」と言って部屋を出て行った
今は……誰にも話したくない………
さくらの所に行った玉森くんはチラッと私を見ると
何事もなかったかのように視線をそらして出て行った
定時を過ぎるとサッサと帰る準備をした
たまった仕事はあるものの残業したい気分でもない
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作者名：ゆり | 作成日時：2019年3月30日 1時
