ピーチメルバ JN (ページ8)

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えっとそれは…

「今までもスケートしてるつもりでした…」
「ふふ、そうだったね、ごめん」
「いや…」
「で？する？今なら僕が特別レッスンをしてあげるよ？しないなら、僕はもう行くからひとりで友達が帰って来るまで耐えなきゃ」

ひとりでずっとここにいるなんて…ああ見えて自由奔放なソラだからいつ帰ってくるかもわからないし、さっきより暗くなってきて、少し心細い。

「レッスン、して欲しいです…」
思わずそう答えたけど、その3秒後、やらかしたと思った。だってこんなに優しくてかっこいい人なんだから、彼女と来てるに決まってる。オールブラックでとてもスタイリッシュな彼に似合う少し茶色の大人な髪を、ライトアップの眩しい光が照らしていて、もう後光が差しているとしか思えないのだ。

「いやあの、でも、彼女さんとか…」
「彼女？彼女はー…いたらいいんだろうなぁ」
「へ…？じゃあ、ひとりですか？」

驚いた。
こんなにスペック高そうな男性に彼女が居ないなんて…やはり韓国はレベルが高いのだろうか…それとも彼が高嶺の花過ぎるのか…いや、きっと後者なんだろう。

「ううん、後輩と。あれ見て」

横を向いたときの素晴らしい顔のラインに彫刻か…！と感動しながら言われた通りに中央の方を見ると、

「え」

スピードスケート代表ですかってレベルで風を切ってひたすら旋回している2人組が目に入った。

「速過ぎる……」
「でしょ？」

手なんか後ろに回して組んじゃって、カーブのときは体を傾けてスピードが落ちないようにして…え、ここ競技場だったっけ。