ピーチメルバ JN (ページ15)

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でも、人見知りってこともある、深く考えるのはやめよう。珍しい2階建てのカフェだしワクワクする気持ちもあって、階段を上ってみた。

「わぁ」

1階は友達同士だったりラフな感じがしたけど、2階はソファみたいになってる席もあったりして、パソコンや参考書を開いて勉強していたり、ゆったりとした空気が流れている。

シンプルでシックな外観なのに、親しみやすい雰囲気が落ち着く。

どこに座ろうか迷ってキョロキョロと探していると、大きなあくびをしている人がいて、お疲れ様ですと心の中で言いながら通り過ぎようとする…
んだけど、その人物がとてもタイムリーで思わず足を止めてしまった。

相手も私に気付き、うーんと身体を伸ばし大きく口を開けたまま、2、3秒目が合う。
ぱちぱちと濡れたまつ毛を数回重ねて、思考停止。
きっと私のことを認識してる。

「あれ！昨日の！」
「うわぁ、こんにちは」
「ハハハ、びっくりし過ぎ」

また会えるなんて。昨日スケートを教えてくれた、とても親切なひとだ。

昨日は黒一色とロングコートでスタイリッシュな彼だったけど、今日はパーカーとジーンズで、それもまたよく似合ってるなぁ。立ったままそんなことを考えている私に首を傾げ、

「ん？よかったら座る？」
とパソコンを少し退けながら席をあけてくれる所作も、とてもスマートだ。

「いいんですか？お仕事中じゃ」
「ううん、大学の課題。ちょっと疲れて休憩するところだから」

そうならば、とお言葉に甘えてふかふかの椅子に腰を下ろす。