ピーチメルバ JN (ページ17)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:13,573 hit

17 ページ17

微かな繋がりを感じてなんだか心がじわりと温まった。思わず男性の顔を見つめると、恥ずかしそうに微笑んだ。

「ごめん、なんか運命とか言って、変な勧誘とかじゃないから！」
「…わかってます」

焦り出した彼にお互い目を合わせてくつくつと笑ったあと、ラテをひとくち。なんでかな、さっきよりも甘く感じる。

「あの、私もお名前聞いていいですか？」
「ああもちろん。僕の名前はキムソクジン。ここから近いK大学ってわかるかな？そこの、3年だよ」
「え…？！K大学ですか？」
「うん、知ってるの？…って、大丈夫！？水飲んで！」

思いがけず身近な名前が出て咳込んだ私は、渡された水で喉を潤す。
知ってるも何も、私が語学留学に来ている大学はK大学なのだ。

「私、K大学に語学留学に来てるんです」
「えぇ？！嘘、ほんと？」
「はい…でも外国人の校舎と学生の校舎は別だから、会うことはないかもしれません」
「そっか。えぇ…でもAちゃんと同じ大学なんて……本当に僕ら、何かあるかもしれないね」

そうやって笑いかけてくれる彼…ソクジンさんは、運命なんて甘い言葉を言って私を騙そうとするような人じゃない。彼自身の雰囲気や真摯な話し方でわかるのだ。

それから私たちは、大学での話やジョングクさんとのお話をお互いにして、昨日よりも少しだけ多くソクジンさんについて知れた気がした。常にふわふわしてしまうような、幸福感に包まれている私は、幸せなこの時間を大事にしたかった。

それはなんというか…やっぱり友達のような存在ができたのが嬉しい。学んできた言語で、他の国の人とコミュニケーションがとれる。今までの努力が身になった気がして、それもまた気持ちがよかった。