14話：仲直り ページ17
〜りうら視点〜
『はぁ.....。』
俺は大学の講義を受けながら、小さく溜め息を吐く。
数日前にAと喧嘩したような形のまま別れてしまったまま、話していない。
実際は別れた後、Aが電話をくれたんだけど、気まずさから嘘を吐いて、電話を切ってしまった。
「...赤倉？もう講義終わったけど.....。」
『あ、え....ほんとだ....教えてくれてありがと。ボーっとしてたわ。』
ヘラ、と笑って、声をかけてくれた友人にお礼を言う。
そして俺は荷物を鞄の中に入れ、立ち上がって講義室を出る。
今日の講義は午前で終わりだったので、適当に食堂で昼食を取り、大学を後にする。
途中、駅前にあるお洒落なカフェが目に付いた。
こんなところにカフェなんてあったんだ....。
「紫雲さん、桃瀬さん、今日はありがとうございました！それじゃあ、また。」
聞き覚えのある声に、俺は思わず振り返った。
俺より少し低い身長。優しく微笑む姿。風に靡く髪の毛。
「りうら....！！」
しまった。そう思った時にはAは人込みを掻き分けて、俺の隣まで来ていた。
方向を変えてAから逃げようと試みるが、手首を掴まれ、その試みは失敗に終わった。
「あ、えっと......この前はごめん....！」
『え....？』
俺は自分の耳を疑った。Aが謝る理由なんてどこにも見つからなかったからだ。
勝手に俺がほとけっちに嫉妬して、嘘吐いて、Aのことを避けていただけ。
悪いのはAじゃなくて、俺。
「....え！？ちょ、りうら！？」
困惑するA。なんでAが困惑しているのかと言うと、俺が抱き着いているから。
自分でもなんで急に抱き着いたのか分からなかった。
ただ、視界の端に映ったAの耳が、真っ赤だったことしか分からなかった。
『好きだよ。』
聞こえるか、聞こえないか。微妙な声量で呟く。
そして、そっとAを抱き締めていた手を離した。
「え.....？ごめん、なんて言った？」
『....なんでもない。それより、俺の方こそごめん。』
Aは不思議そうな顔で俺を数秒見て、グーにした手を差し出してきた。
そしてニコッと笑って、口を開いた。
「ほら、仲直りってことで！」
『....うん。』
俺は中学の頃のあの日のように、Aとグータッチを交わした。
その時だけ、中学の頃に戻ったような気がして、ふと思う。
Aはもう俺のこと、好きじゃないのかな。
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Near(プロフ) - Kinyari*さん» 結瑠さんお久しぶりです🙌🏻こちらの作品を検索避けするの忘れてました💦ご丁寧にありがとうございます！すぐに訂正させていただきます😊 (2023年4月25日 22時) (
レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
Kinyari* - 久しぶりに来たのにこういうこと言うのまじで申し訳ないんですが、タグとタイトルの一部を検索除けのものに変えてもらってもいいですか…？詳しくはこちらhttps://uranai.nosv.org/u.php/novel/knskyk1/ (2023年4月22日 16時) (レス) id: 88e6604fc1 (このIDを非表示/違反報告)
Kinyari* - 久しぶりです！この作品で一番最初にコメントしてた結瑠です。 (2023年4月22日 16時) (レス) id: 88e6604fc1 (このIDを非表示/違反報告)
Near(プロフ) - えある。さん» ありがとうございます…！かたつむり更新の掛け持ち常習犯ですが、応援していただけると嬉しいです🥺ずっと見ててください（？？） (2023年4月1日 18時) (レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - 神。すごいですね!!ほんと、、、ほえ？語彙力？なぁにそれおいしいのぉ？wwwずっと見ます。ずっと見てます。ありがとーございます!!w (2023年3月30日 15時) (レス) @page20 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Near x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/
作成日時：2022年8月20日 20時
