金魚鉢。 (ページ37)

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｛────────…取材に行かせて頂きたいんですけど、よろしいでしょうか？
「えっ、あ、はい！お待ちしております。」

／
うわぁ～～～～～んっ！！！
＼

「あ、すみませんちょっと…」
｛いえいえ、それでは夕方頃お伺いさせて頂きますので、失礼します。

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／
まぁ～まぁぁあ～～～！！！！
＼

「あーはいはい、どうしたの転んだの？」
『うぇ～んっ…ままぁ～～～っ！！』

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あれから２年、私は一児の母になった。

父親は“居ない”から、
未婚のシングルマザーとして
子育てに奮闘する毎日。

日本に戻って、二階が住居として
使える物件を見つけ、偶然街で
２代目朝霧として最後に懐いて
くれた吉乃と再会をした私は、
再び小さなカフェを開いて生活をしている。

『姉さん、電話何だったの？』
「あー、取材に来たいって。夕方頃来るらしいんだけど。」
『じゃあ、その時はユラちゃんの面倒私が見ておくから♪』
「うん、そうしてくれると助かる、ありがとう。」

一人娘の名前はユラ。
ハングルでも、“幸せを掴む人”って
意味を持つこの名前を、いつかこの子が
大人になった時に気に入ってくれると
いいなと思って付けた。

まぁ、そんな話をしながら忙しい
ランチタイムを迎え、それが落ち着いた頃

／
すいませーん、取材お願いしてた者ですけど～、
＼

『姉さーん！取材の方いらっしゃいましたよぉー！』

洗い物をしていた私を呼ぶ声がして、

「はいはーい！」

返事をして調理場からフロアに出て、
テレビのスタッフさんらしき人達と
挨拶と軽い説明を受けていると、

スタッフ
『あ、いらっしゃいました、本日取材を担当する桐谷さんと裕さんです。』

『うわー！超美人店長さんや！！あ、桐谷です～！』
『ど、どうも、裕です。』

「あ、本日はよろしくお願い、します。」

まさかこんな偶然なんて想像もしてない
裕くんとの再会。

正直、心臓が止まったんじゃないかと
思うくらいの衝撃。
それは裕くんも同じなのか、びっくり
したような顔をしていたけど
さすがはプロ、何事もないように普通に
挨拶をするから私もそれに合わせた。

『じゃあ姉さん私はユラちゃん見てますね♪』
「うん、じゃあユラ？吉乃ちゃんと上で遊んでてくれるかな？」

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