金魚鉢。 (ページ24)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:54,603 hit

２４─TH side─ ページ24

─────────…

『そもそも何でそんなこと聞くのよ。』
「いや、なんとなく？日本の番組で共演したし。」

『あぁ、そうだね。てか私も会場行たし。』

「..ジミナ、お前のこと…まだ、、」

何でこのタイミングでそんな事を
言ったのか分からない。

ただ、裕さんって人と話した時の
ジミナの顔が浮かんできて、
この女の目にジミナが１ミリも
映らない事が不憫で、切なくて...

『...その事はあの時任せたじゃない。それともやっぱり親友には嘘付けなかった？』

そう、あの時の俺は確かに時期が
時期だからなんて、いっちょ前に
仕事を優先させた考えしてたんだけど、

裕さんとの件があって以来、
俺にも抱かれたと思い込んでるのに
そこまでこの女を思う気持ちを
知ってしまったら...

親友として、申し訳ない気持ちで
いっぱいで。

「...思い込んでるよ。お前は俺にも抱かれたって。」

『...え？』

「..それでもアイツはお前の事、想っ」
『それ以上！！』

「え、」
『..それ以上、言わないでおいてくれる？』

「...でも、アイツは、」

『うん、..すごく有難いことだよね。

あんた達の居る芸能界と私達の世界って密接ではあるじゃない？』

「...うん。」

『...でもさ、１番遠いんだよ。

誰が身体を売ってる女を認めるの？
自分達の意思のない場所で別れさせられて終わりでしょ？

ジミンさんが傷付くだけ。
親友にとっても不本意でしょ？』

「...。」

『..そう言うことだから、
私ももうじきこの仕事辞めるし、金輪際会うことはないから言うけど、

...あんたの歌声、意外と好きだよ。』

何も言えずに居る俺に向かってそう言うと、

じゃあね、なんて言って部屋を出て行った。

本当にこれで良いのか...

いや、きっとアイツが言ってることは
正しい。

俺達と密接であれば密接である世界程、
結ばれる運命にはないのが事実。

それは、

アイツの居る世界もそうだし...

俺達と一緒に夢を作っている
ファンとの世界もまた然り...

どれだけ愛していても、
どれだけ愛されていても、

愛されれば愛される程に
遠くなっていく距離が現実。

それに俺だって、
ジミナが傷付くのを見るのは辛い。

でも、でも...

────────────…

──────…

「...俺、抱いてないよ、ジミナ。」

JM『...え？』