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23─TH side─ ページ23

─────────…



────…



人の顔を見るなり、
ゲッ!っとあからさまに嫌な顔を
するその女は


以前見掛けた時よりも、
少し痩せた、と言うよりも
ずっとずっとやつれたように見えた。



「あれ?、何やってんのお前..」



こんな所に居ると思わなくて、
つい出た言葉に


『何って、仕事だけど。』



正直驚きしかなかった。



だって俺達は、2ヶ月位前にコイツの
好きな男とあんな話をした後だから。


恋人同士になったんだろうし、
どうしてAがまだこの仕事を
続けている意味が分からないし。


そんな事を頭で考えていると、

『まぁ、仕事する意味もなくなったし、
あと2ヶ月位で辞めるけどね。』


って死んだような目をして言うから、


「なんでそんな顔してんの?
辞めるって事は好きな奴とうまく行ったってことでしょ?」


なんて、気になって聞いたんだ。

そしたらAの奴、乾ききった笑みを浮かべながら


『逆だよ、終わったの、全部。
言われたの、もう終わりにしようって。』


「...は?」


『わざわざ私を呼んで、終わりにしようって。』


じゃあ、私ココの階だからお先。なんて言って降りていこうとした彼女の腕を咄嗟に掴んで


『それ終わったら、俺の部屋来て。4107室...金は出すから。』


そう言うと、少し面倒くさそうな顔をしたけど


「..別にお金は要らないけど、遅くなるよ。」


大丈夫だからと俺が答えると、
分かったって一言だけ行ってしまった。



一体どう言うこと?

ジミナには、とりあえず伏せておくか。
そう思いながら部屋で待っている間に、
少し眠ってしまったみたいで部屋のチャイムで
起こされる。


「んぁーいっ...」

『あ、寝てたの?』

(じゃあ帰ればよかった)なんて
小言は聞こえないふりをしておこう。


「それでさっきの話だけどさ、なんで?」
『あんたって、本当デリカシーのない男ね。』

「え?、じゃあ甘い言葉で慰めようか?」
『いや、全力で遠慮しておくわ。』


「相変わらず可愛げないのな。」
『まぁ、あんたもね。』


「それで?、なんでそうなったの?」

『だから、呼ばれて終わりにしようって言われたって、さっきも言ったじゃない。
何回も言わせないでくれる?』

「いや、理由とかさ…」


『理由?...言ってることが良く分かんなくて、部屋飛び出しちゃったから…
...だから私も、あんまり分かんないんだけどね。』

「..それで?」


『それでも何も、それ以上はないよ。』

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作者名:ぽん | 作成日時:2019年10月2日 16時

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