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────────…
ボフッ…
「...なんか、疲れた。」
部屋に戻るなりベッドにダイブ。
調子狂うわ、あの男。
でも、意外と意思疎通出来るし
何より本来の理由を話そうと思う
なんて、珍しいこともあったもんだ。
なんて、数分前まで居た部屋の主である
キムテヒョンを振り返る。
今となっちゃ、今後会うこともない相手
だけど
“いー友達になれそー。”
そう言って笑ってたのを思い出すと、
「..ふふっ、まぁ確かに。」
なんて口に出す位のレベルで共感する。
まぁ、所詮は違う形で出会ってれば
って言うタラレバ話ってやつだけど。
そんな事を考えながら、
頃合いを見て一応、店に電話を掛ける。
「朝霧ですが、お客様からお暇頂きました。」
{あ、お疲れ様ですー!連勤で疲れたでしょ
う?ゆっくり休んでくださいね。
「いえ、お疲れ様でした。」
{あ、お給料なんですけど帰ってきたら事務所
に寄って頂いてその時に。
「あ、分かりました。それじゃ失礼します。」
そう言って電話を切ったものの、
実質今日の代金は、何となく貰うに
耐えなくて、先に貯金から降ろして
アイツに返してきたから
今日の給料はだいぶマイナス。
前言撤回、やっぱ傍迷惑な奴。
絶対、“いー友達” になんかなれないわ。
そんな事を思いつつ眠りにつく。
─────────…
───…
翌朝、ホテルのモーニングコール設定で
起きた私は、朝食を食べて東京に戻る。
駅近の大きなスクリーンに映るは、
ここ最近頻繁に会っていた2人と
その仲間達であろう人。
周りを見渡せば、
キャッキャと動画を撮る若い女の子と、
それに見向きもせず通りすがる人間。
世の中って、関心無関心がこんなにも
出てるのか...なんて思うと実に感慨深い。
『あっ、お姉さんお姉さん、仕事とか探してたりしません?♪』
「いえ、結構です。」
『お姉さんなら結構稼げると思うんすけど、連絡先だけでも交換しません?』
「稼げてるので、大丈夫です。」
街に立ってる無数ある会社の中でも
下っ端のスカウト達って大変だな。
(あ!お姉さん仕事とかどうです?)
(ちょうど出稼ぎ行きたくて〜)
(そうなんすねー!良かったら紹介しますよ!)
(保証とかどんくらいつくの?)
(ん〜、ちょっと待ってくださいねー?)
あら、引っ掛かる子も居るんだ。
さしずめあの子の貢ぎ先は...ホストかな?
なんて無意味な予想を立てつつ、
家路についた。
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作者名:ぽん | 作成日時:2019年10月2日 16時