金魚鉢。 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:54,573 hit

８ページ8

───────────…

あーめんどくさい。

ジミンさんがまだ全然グラスに残っていると言うのに飲み物を買いに行ってしまい、テヒョンさんって人となぜか二人きりにされてしまった。

まぁ、このテヒョンさんって人が
私の本名を聞いて、
そのテヒョンさんのグイグイ感に負けて
私が普通に答えてしまった事が
気に入らなかったんだとは思うけど。

しくったな...

そんな事を思っていた時だった。

TH『ねぇAちゃんさー、どういうつもり？』
「はい？」

突然声色が変わったテヒョンさんの方を向けば、

さっきまでニコニコしてた表情から一変、
ものすごく冷めた目で私を見ている。

TH『だからさ、ジミナ騙して何がしたいの？』

そうでもなけりゃ真面目なジミナが
毎晩毎晩女頼む訳がないでしょ、

なんて意味の分からないことを言う。

だって私は客であるジミンさんに対して
色なんか使った覚えもないし。

「...騙すも何も、呼んで頂けているのが私も不思議なくらいで。」

何コイツ...

私だって好き好んでココに
来てるわけないだろ、

仕事だよ、仕事...

TH『そんな嘘いらないよ。何？サセン？言ってみろよ、何が目的？』

サセンとは？

まぁ、そんな用語知らないけど
この人の雰囲気からするに
日本アイドルに置き換えれば

“やらかし”みたいなものなのだろう。

でも私、そもそも初めてココに来る前に
店長から顧客情報聞くまでＢＴＳなんて
グループ、存在すら知らんかったわ。

「ですから、お呼び頂いているので来させて頂いているだけですよ？何もないです。」

正直なこと言える訳もなく
そんな風に適当にあしらえば、

TH『ふーん、じゃああのジミナが我慢出来なくなるくらい、
Aちゃんとのアレがイイってこと？』

ニヤッと笑うとこの男は私の顎を掴み、

“だったら、僕にも試させてよ”

なんて言いながら、
キスを迫るキムテヒョンと言う人の
凶器にもなりそうな位美しい顔を
ボーッと見ながら、

あー、これ堕ちる人多いだろうな。

この人もえらい人気なんやろなー。

世の中の女は俺にこうされたら
皆嬉しいでしょ？

って感じの、女見下したような自惚れ感が
何より可愛い部分だったりするのかな？

でも、残念。
やっぱり私には刺さらないんだよなぁ。

「...ふふっ。」

TH『..なに、笑う余裕あるんだ？』

「...女嫌いの女好き。」