金魚鉢。 (ページ40)

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４０─JMN side─ ページ40

◎グンソク：GS──…

「...あ。」『..あ。』

GS『え？えっ？知り合いなの？♪とりあえず座りなよ～♪』

着いていった先に居たのは、裕さん。

TH『ヒョンの日本人の知り合いって、この人だったんですか？びっくり～！♪』

GS『ねっ！世間は狭いね～♪』

なんて、戸惑う俺と裕さんの空気を読んで場を盛り上げてくれるテヒョンア。

とりあえずご飯やらお酒やらを注文して、
色々話しながら食べ進めて行く内に
皆酔いも回って赤裸々な話をしたりして。

そんな時、グンソク兄さんが
テーブルの上に置いてあった携帯を
自分のモノだと勘違いして、
裕さんの携帯で時間を見てしまった
らしく、

GS『あ！ごめん間違った！てか、裕くん子供居るの？！可愛いね～！！』

裕『ちょ！俺の違いますよ友達の子供っす！』

GS『え～ほんとに？、でも子供って可愛いよねぇ～♪』

TH『え～俺も見たーい♪』

裕『あ、ちょお返して下さいって！』

どうやら待受画面が子供の写真
みたいで、子供好きのテヒョンアが
グンソク兄さんの持つ携帯を見に行くと
表情が一瞬険しくなった気がした。

そして、

TH『...そっくり。』

その言葉に、裕さんの表情も
何とも言えないような雰囲気になって。

何も知らないグンソク兄さんと、
それを見ていない俺は頭の中に
ハテナマークがつく。

TH『...その子、何歳ですか？』
裕『...もう少しで、２歳、言うてたな。』

TH『...今は、父親居るんですか？』
裕『...最初から、、１人で育ててるで。』

GS『ち、ちょっとちょっと、どうしたの２人とも？』

そんなグンソク兄さんを無視して
テヒョンアは俺を見据え、

TH『...やっと理由が分かったね。』

そう言って柔らかに微笑み、
俺の目の前に裕さんの携帯を置いたんだ。

「...っ、」

なぜだか分からない。

その画面に映る子供を見た瞬間、

　 “ 俺の子。”

そう、強く思って...

涙が溢れて止まらなくなった...

GS『ちょっとどうしたの？何なの？』

戸惑うグンソク兄さんを見て、
テヒョンアが説明をしてくれて。

その後、裕さんが俺達３人に
色々と教えてくれた。

その話は、

別れも告げずに急に行方をくらました
彼女を、

“自分勝手”

だなんて責めた日さえも
後悔する位、俺への愛に溢れていて...

どうしようもない気持ちが涙となって
溢れる。

裕『...覚悟あんねやったら、行ったって。』

そう言って差し出された１枚の名刺。