金魚鉢。 (ページ17)

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１７─JMN side─ ページ17

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驚いた顔をして俺を見るテヒョンアと
色白の男の人。

歳は俺達よりだいぶ上だろうか。

TH『...ジミナ、聞いてたの？』

「..じゃあなんで！！！」

頭に血が上った俺は、男の人に
掴みかかってしまっていて、
必死にテヒョンアに止められる。

男『ッ！！、分かった分かった、ちゃんと話したるから、本番終わってからにしてくれ。そちらさんもその方がえぇやろ？』

その男の人は、暴力を振るおうとして
しまったそんな俺に対して大人の対応を
してくれて、

本番が終わったらここに来てくれと
住所を教えてくれて一旦解散。

とりあえず落ち着きを取り戻した俺も
テヒョンアと無言のまま楽屋に戻り、
本番に臨む。

そうだ、今は仕事に集中しなきゃ。

そう思ってたのに、アーティストが次々
紹介される中気付いてしまったんだ。

アリーナ席で、さっきの男の人を
愛おしそうに見つめるAちゃんの
姿があることを...

そして、その男の人もまた
慈しむような目でAちゃんを
見ていることを...

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────────…

そして、男の人と約束した場所に
テヒョンアと２人でやって来た。

どうやらココはこの人の家らしい。
この人の名前は、裕さんと言うらしい
事だけは来る前にテヒョンアに聞いた。

裕『..それで？どこまで聞いてたん？』

ソファに座る俺達に飲み物を持ってきて、
裕さんは床に置いたクッションの上に座った。

「..えっと、想い合ってるのは分かってる、って所です。」

すると裕さんは、ふぅっと一息ついて
寂しそうな顔をしながら話し出した。

裕『俺があいつとちゃんと出会ったのは、３年前くらい前。理由はお前達と同じ。

それから何度か会う内にあいつが俺のファンって事を知って、でももうその頃には俺もAの事が好きやったから、
怪しいとか危ないとかそんなんどうでも良くて。
今考えれば、その時に付き合おうって一言言えてれば、１番良かったんやと思う。』

TH『...。』
「...何で、言わなかったんですか。」

裕『ちょうどその位の時期に、俺の先輩とAの所の女の子が週刊誌に載ってもうた。

俺らの仲間内では、その２人が付き合ってる事は周知の事実やったし気にしてへんかったんやけど、会社は黙ってへんかった。

俺とAは互いに１度も話したことはないけど、その２人が誓約書書かされたりして無理矢理別れさせられたのを見てもうてん。』