金魚鉢。 (ページ11)

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「いや、いくらなんでもそれは...」
『でも出張費用も出すって聞かなくてさぁ～！頼むよ朝霧さーんっ！！』

「いや、でも..」
『そこを何とか！！！』

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今朝方ジミンさんの元から帰り、
給料精算するな否やこのザマだ。

ふざけんな、客の前でオチオチ爆睡なんて
出来たもんじゃないってのに
休む間もなく大阪に飛んでくれって、
いくら商品だとは言っても
メンテナンスってもんがあるだろーが！

なんて言えず、
いや本来なら言っていたけれど...

私を呼んでいる男の名前を聞いて
寝ずにやって来た大阪。

帰り移動するのも面倒くさいと思った私は、
指定されていたホテルの別の階に部屋を取り、
仮眠して時間を潰し、奴の部屋へと向かった。

そう、私を大阪まで呼んだのはこの男...

「こんばんは、朝霧です。」

TH『お、待ってたよ～Aちゃん？』

そう言って、作り笑い満載な顔して
ニコッと笑うキムテヒョン。

「わざわざ大阪まで呼んで頂いて、何の御用です？」

私が荷物を置きながらそう言えば、

TH『試すなら自分で呼べって言ったくせに、心外だなぁ～。』

なんて、昨晩とは逆に押し倒される私。

「..ふふっ、そんな気さらさら無いくせに。」

上に跨がって私を見る目を見れば、
それは一目瞭然。

私に対して一欠片の欲もない、そんな瞳。

TH『っはは！、こんな女初めて。いー友達になれそー。(笑)』

そう言うと、私を抱き起こして
少し間をあけて座った。

「それで？、こんなことする為に呼んだんじゃないでしょ？」

TH『そう、ジミナの事聞きたくてね。』

「昨日も言ったと思うけど、私は呼ばれたから行ってただけよ。今日のあなたみたいに。」

TH『またまた、Aちゃん位勘が鋭いならもう気付いてんでしょ？ジミナの気持ち。』

「さぁ、何のことだか。」

惚れた腫れたの話は面倒くさい。

ジミンさんの気持ちなんて
正直、呆れる位分かりやすい。

連絡先を聞いてきた時の表情、
私の抱き方、眠り方、

全部が私への愛情でいっぱいなんだから。

でも、私が彼を受け入れることは

...ない。

TH『...ジミナのあの感じは本気だよ。』

どうするの？なんて聞くけど、
この男の中での選択肢も１つだろう。

「その、人を試すような事言うのは癖なの？」

私がそう言うと、さぁ？何の事？なんて

さっきの私の台詞を真似るキムテヒョン。