スカートでもバク転させて！２ (ページ45)

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《A》

「風雅やん！何してんの？あ、祭りか！ははっ(笑)」

何人かの友達らしき人と歩いてる風雅に会った
あたしらに気づいて、一人だけ立ち止まってこっちを見る

思わぬ遭遇に驚きつつもナイスなタイミングな風雅に感謝して、恭平から少し離れて風雅に駆け寄る

風雅「もう1人いんの…恭、平、くん？」

高橋「よっす」

暗くて顔は見えてないはずやけど、さすが。
シルエットで気づく出来る後輩

軽く腕を上げてあたしの後ろに恭平がついてきた

風雅「…変装もせんとなんでこんなとこいるん」

「近くで撮影あってさ！帰るときにお祭りあんの知って、行こかーてなって…」

ついさっき恭平にフードをとられたことを思い出して、ちょっと言い訳っぽく言ってしまった

それにしてもぶすくれた感じの風雅

そんな、説教じみた口調の風雅のわかるはずもない顔色を伺っていると、

高橋「ずっとフード被ったりマスクしてたり暑かったから、離れて休憩しててん。もう帰るとこやで」

後ろから少しかがんであたしの顔の横から
恭平が庇うみたいにそう言った

風雅「そーなんや…」

なんか、腑に落ちてないようす

「…えっと…あ、風雅友達！？ええなあ！地元この辺なんか！」

機嫌とりするみたいに不自然に話題をかえると、
先を歩いてた風雅の友達の1人がこんばんわーと元気よく挨拶してくれたのが嬉しくて、
同じように返すと

風雅「…ええから。へらへらすんなって。」

「え、あぁ、ごめん…」

せっかく変えた話題でも風雅の機嫌は治らなくて、素直に謝ればもう心が折れて顔も上がらなくなった

高橋「おいふ「だいたい、変装も甘いんじゃないっすか。」

見かねた恭平がなにか言おうとしたけど遮って言う

風雅「もうなんかあったら自分だけの問題じゃないって俺らにも言ってたくせに…！」

「……」

お互いグループができたときに2人で喋ったときの話。

風雅覚えててくれてたんやって、怒ってる風雅を目の前に内心ちょっと驚いてる

高橋「ま、まあまあ路地裏通ったり、明るいとこ行かんようにしてたし…い一応気はつけてたからさ！」

何も言わないあたしにかわって、恭平がフォローしてくれる

それでも言葉が出ずにいると

風雅「…なんか…

なんか残念。」

急に、この場にいることが恥ずかしくなった。