この度恋をしました。 (ページ20)

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ら玲於ページ20

練習が終わってAのデスクを見る。

あれ？いない。

帰っちゃったかな。

そう思ってLINEを確認するけど何も来てない。

まみ｢あ、Aちゃんならもう帰ったよ？｣

…でもAがもし俺を待たずに帰るなら連絡するはず。

電話かけてみよ。

電話をかけると目の前のデスクから音が鳴った。

よくよく見るとスマホもカバンも置いてあって…。

なんだ、帰ったんじゃなかったんだ。

Aのデスクの前にある椅子に腰掛けて待つ。

結構長く待ったけどAが来ない。

おかしい。

Aから一番近いデスクの人に

｢あの、A知りませんか？｣

・｢ああ、資料取りに行きましたよ｣

そっか、探すのに手小津ってるのか。

手伝いに行こ。

そう思って資料室に行ったけど誰もいなかった。

｢あれ…おかしいな。｣

ちょっと心配になって事務所中を探すけどどこにもいない。

もしかしたら、資料室に行ったって言ってたからもうひとつの方かもしれない。

そう思って資料室に手をかけると鍵がかかっていないはずなのに鍵がかかっていた。

ここだ。

急いで上に戻って鍵を取りに行き開ける。

｢A！？｣

中を探せばAがいて、うずくまっていた。

｢A！｣

A｢玲於…さん？｣

俺の顔を見るなり抱きついてくる。

｢だ、大丈夫？｣

耳元で小さく乱れた息と鼻をすする音が聞こえて泣いちゃってるってすぐに分かった。

｢俺がきたからもー大丈夫だよ｣

そういうとAの腕の力が少しだけ強まった。

無理ないよ。

女の子1人でこんな薄暗くて寒いところにいたら怖いよ。

俺だってムリだもんこんなところに1人でいるなんて。

とりあえずAが落ち着くまで頭をそっと撫でた。