【3年A組男主】－Death game － (ページ9)

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3年A組ページ9

茅野「………澪奈ですか。」

静まり返るクラスの中、茅野さんはそう言った。

＿＿＿＿＿＿＿＿景山澪奈。

特に仲が良かったわけでも無いし、悪かったわけでも無い。

…水泳の全国大会に俺を招待してくれた。茅野と一緒に。

勿論行った訳で…その後、何故か…

「ドーピング」したと言うことが全国で話題になっていったのだ。

発信源は分からない。ただ、澪奈が虐められていたのは知っていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿

茅野さくらside

今日は早く目が覚めて、いつもよりずっと早く学校に行った。

冷たく乾燥して澄んだ空気。冬は寒くて好きじゃ無いなぁ、

登校道も誰も居なくて、なんだか特別な事をしているみたいだった。

下駄箱に着き、ガラッと空いた風景の中…

Aさんの靴があることに気付いたのには、そんなに時間はかからなかった。

Aさんは国宝級の美男子だ。クラスの中でも断トツでカッコ良くて、…ついつい被写体に
する事が多い。部活はしてないし遅刻ばっかりだけど、柊一颯先生には手を出さない。

そんな人がこんなに早く来るとは思ってもいなくてついつい小走りで教室まで足を進めた。

.

.

足音を立てないように静かに廊下を歩く。

_______“………冷たっ、”

そんな声が廊下に響いて、思わず足を止めた

耳心地が良くて少し低いそんな声。やっぱり..Aさんだ

.

「……………っ、！？」

『油性ペン、……消毒液…』

独り言が耳に入る。

’

消してたんだ。Aさんが…澪奈の机の落書きを。

冷たい水が入ったバケツで必死に机を擦って、机を綺麗にしている姿を。

思ってもいなかった

こんなに綺麗な人が、私のクラスにいたなんて

そして私は…本能的にカメラを握った。

ﾊﾟｼｬﾘ .

後ろの角度しか取れなかったけれど、凛とした後ろ姿に長く縛った黒髪はAさんと分かる情報には十分で

私でも、見捨てているのに。

話してもいない人が、 1人…静かにこんなことをしているなんて、考えた事もなくて。

静かに後ろを向いて来た道を戻っていった。

あの状況で、私に手伝うと言う選択肢はなかったの？

澪奈を庇ってあげることは出来なかったの？

頭がパニックになった。

私は廊下を曲がると何も考えず廊下を走って、他の人が来るのを待った

“ 嗚呼 .、私って最低だ。 ”