REBORN ―己の使命。そして存在―弐 (ページ33)

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恐怖ページ33

そこに居る儂多君はﾋﾟｸﾘとも動かなかった。

風が吹き、儂多君の前髪が顔の前に落ちる。それを払いのけることさえしなかった。

貴「…死んじゃったの…？」

向こう側の小さい子はﾎﾟﾂﾘと呟いた。

その声は、まさに泣きたいのを押さえて冷静を装っている声だって、俺でだってわかった。

その直後、

ザ「弱者は消す…!」

そういってザンザスが倒れて全く動かない儂多君に銃を向ける。

そして引き金にかけられた人差し指が――一瞬迷いを見せてから――容赦なく引き金を引いた。

しかしはじき出された弾丸は何もない虚空に消えた。

ザンザスを見ると、銃の焦点は大幅にずれていた。

理由はただ一つ。

さっきの小さい子が立ちはだかっているからだった。

―――

怖かった。正直、すごくこわかった。

貴「に、いさん…殺さない、で………。」

声が震えているのは、自分でも分かった。

貴「ユーキを……殺さないで…。」

目から大粒の涙が流れた。これ以上、誰かを失うのが嫌だった。

そうだ、いままでもそうだった。でも、もう嫌だった。

ザ「………ﾁｯ」

そうい舌打ちをして銃を下ろした。

貴「…ベル、」

そういっだけで、ベルには分かったらしい。ユーキを背負ってこちらへ戻ってきた。

チ「…姫君の対決は引き分けと終わったので…これより第2姫君の対決始めます。」

全「「「!!!???」」」

チ「対戦する相手は……Avs紺野妃奈乃。」

その言葉に、兄さんは少しだけ目を見開いた。

A「ﾊｧ!!??こいつ戦闘に出すとか、不安すぎるんだけど!!!」

妃「怪我人は黙ってなさいよぉ～。」

A「(-∀ー#)」

ツ「妃奈乃ちゃん……大丈夫なの？」

妃「任せてぇ～こいつなんかよりもうまくやってくるわぁ～♥」

ボンゴレ側は皆引いていた。←

べ「姫…。」

貴「!…私なら大丈夫。戦った事は…ないし練習も全然してないけど…とりあえず、先にネックレスをとれればいいんだよね!」

そういって無理に笑顔を作った。

貴「絶対に、勝ってくるよ!!」

祐「駄…目………だ…。」

まだ僅かに意識があるユーキがやっとの思いで発した言葉がそれだった。

祐「俺が……。」

チ「いけません。先ほど戦い、引き分けが決まっている時点で貴方への参加権はありません。」

ユーキは激しく体を上下させ呼吸をしていた。

ザ「A。」

貴「？何…？」

そういって無言で差し出したのは…。

貴「え？これって…兄さんのじゃ…」

兄さんの銃だった。