EP..29 ページ29
ポタポタと髪から水を滴らせむすっとした表情で2人は俺の目の前で正座している
「いきなり掴みかかったホンビナは乱暴すぎ!!
テグン!!素っ裸で暴れるやつがいますか!!」
「だって」
「…こいつ、が…」
「言い訳しない!!!」
俺の大きな声にビクッとした2人は口を閉じた
「話も聞かずに摑みかかるなんて」
「何も言わずに出掛けるから…シガになんかあったら、って…」
「うちのテグンはそんな悪いことしません!」
「……すいませんでした」
まったく…吸血鬼ってこんなにヤキモチ焼きなのか?
それとも独占欲が強すぎる?
「あの、とりあえず服着ません?服……」
あ。テグナスッポンポンなんだった…!
シガの言葉でハッとした。
このままじゃ会社のブラインドあげられない。
「服、持って来てないや…テグン、猫に戻らなきゃ!」
「……」
すっぽんぽんのまま正座してふいっと顔を逸らす
「そのままだと帰れもしないよ?」
「…………」
なにを意地張ってるのかテグンは頑なに猫に戻らない
すっぽんぽんで恥ずかしくないのかな…
逆にこっちが恥ずかしいんだけど、、
「抱っこしてあげるから、ほら…早く戻ろうよテグン。」
「……」
俺の言葉に嬉しそうに少し口を緩ませてしゅるり、と猫に戻って足元にすり寄った
すごく簡単な奴だなテグナって。
「にゃぁん…」
か細い声で強請るように鳴いてるテグンを抱き抱えてやると満足げに尻尾を一振りした
「…俺も服濡れてるし……」
ボソ、っと呟くとホンビナまで猫に。
そしてトコトコと歩いてシガの足元に座り込んだ
「抱っこして欲しいのか?」
「う、うるさい!そんなつもりじゃ…」
「はいはい」
うるさい、なんて言いながらシガに抱き上げられると満更でも無さそうな顔でホンビナも尻尾を一振りした
さて、まずは暴れてぐちゃぐちゃになったオフィスの中を片付けなきゃ
ぶっかけた水で床もビシャビシャだ
2人が猫になっちゃったから1番の被害者の俺とシガでやらなきゃだけど!
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作者名:p663 | 作成日時:2017年8月22日 23時