EP..28 ページ28
俺に抱かれた黒猫は嬉しそうにゆらりゆらりとゆっくり尻尾を揺らしている
「昼飯何が良いっすかね〜」
「にゃぁ〜」
返事なのか小さな声で鳴いてキョロキョロと周りを見回す
そういえばホンビナに会った時はこういう天気のいい暑い日だった
ぐったりと裏路地で横たわってたホンビナは今の姿とはかけ離れてるくらい薄汚れた汚い姿をしてて
とりあえず連れ帰って風呂入れてたら急に猫のまま喋って暴れて大変だったっけ…
「ふっ…」
「にゃ?」
思い出してつい笑った俺の顔を見上げて不思議そうな顔をするテグンさんの頭を撫でて俺も辺りを見渡す
「んー、今日はチキンにしますか」
「にゃ!」
今日は目についたチキン屋で決定。
ハギョニヒョン好きだしなチキン。
「ただい…っ!!」
「どこ行ってた!!」
帰ってくるなりホンビナが鬼の形相で俺に摑みかかってきた
「い、てぇな…飯買いに行ってきただけだよ」
「コイツになんかされてないだろうな!?」
声を荒げたままそういうとホンビナは乱暴にテグンさんの首根っこを掴んで俺の腕の中から引っこ抜くように引っ張った
「ゔにゃぁっ、!!」
痛そうな声を上げてぶらんっ、と体が揺れた
そのまま地面に叩きつけようか、というようにホンビナが腕を振りかぶる
「おいやめろ!!!」
俺の声と同時に、パッと手を離した瞬間
黒猫は目つきの悪い男に変身して
素っ裸のままホンビナに飛びかかって行った
「テグナ!!」
ハギョニヒョンは2人の間に入ろうとしたけどどん、っと突き飛ばされて尻餅をつく
「ああ!!?ちょっ、2人とも落ち着け!!ハギョニヒョン!ブラインド!ブラインド下ろしてきて!!」
素っ裸の男が会社の中で暴れてるなんて通行人に見られたら大変だ
尻餅をついてたハギョニヒョンが慌ててブラインドを下げた
その瞬間バサァッ、と大きな音がしてホンビナに跨り摑みかかるテグンさんの背中から真っ黒な翼が広がる
「ハッ…勝手に羽まで出ちゃうなんて本当に未熟ですね」
「うるさい…黙れ……っ」
俺たちが近づけないような雰囲気で
ホンビナに跨ったまま目をギラつかせ今にも噛みつきそうな距離で睨み合う
どうしようか、と悩んでいると
バケツを持ったハギョニヒョンが…
思いっきり2人に水をぶっかけた
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作者名:p663 | 作成日時:2017年8月22日 23時