短編入れ (ページ27)

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たんぽぽページ27

「たんぽぽ」

ベッドに寝転んで微睡んだままポツリと声を漏らしてハギョンが俺の髪に指を通す

「たんぽぽ？」

「うん、たんぽぽみたい。キレイ…」

寝ぼけてるのかうつらうつらとした目でこっちをみながら染めたての髪にゆっくり触れる
まだ暖かい手、柔らかいその感覚に一度目覚めた目がまた閉じそうになる

「似合うよね、金髪」

「そうか？ハギョナの金髪も似合ってた」

「ふふ、テグナには負ける」

髪から手を離すと甘えるように俺の胸元に擦り寄ってぎゅ、っとシャツを握った
そろそろ起きて準備しなきゃいけない時間だけど
こうなると動きたくなくなるし
ずっとこうしてたくなる
ハギョンが心から甘えてくる事は少ないから
ふざけてメンバーに抱きついたりしつこくしたりするけど猫みたいに擦り寄るのは俺だけだ

「俺は黒髪が似合うのシックな男だから」

「…はぁ？」

「俺が金髪になって目立っていいの？」

「それは…ダメ」

「テグンは目立っちゃってるけどね」

「ペンもハギョンも喜ぶからいいだろ？」

「ま、そうだけどさ」

クスクス、と笑い合う幸せな時間
忙しい毎日の中の少しの癒しの時間

ずっとずっと、続けばいいのに。
きっと数分後にはマネージャーからの連絡で起きなきゃいけなくなるだろうけど…

(あ、ケータイ鳴ってる…
(…電源切っちゃえ。