こいつだけはない【MG】 (ページ9)

今日:44 hit、昨日:45 hit、合計:237,837 hit

09 ページ9

・

『ミンギュ走ってきたの？
汗かいてる。』

MG「別に。走ってない。
暑いだけ。」

『ふーん。』

なんか気まずくて、こんな感情初めてだった。

誰もいないせい、きっとそうだ。

隣で自転車を引くミンギュは長い足を小さく動かして、私の歩幅に合わせてくれる。

なんだろう、これ。

『変なの…。』

MG「なにが？」

『ミンギュってこんなに背高かったっけ。』

夕焼けで作られた2人の影がゆらゆら揺れている。

私より頭一個分くらい飛び出たミンギュの影。

MG「また伸びたのかな。」

そんなことないと思うんだけど、なんて言いながら髪の毛をわさわさと掻くミンギュ。

『私が小さいのかな、。』

MG「Aは小さくないよ。
スタイルだって良いじゃん。」

『なんの風の吹き回し？』

MG「本当だよ。
いつもは揶揄ってチビなんて言うけど。」

『やめてよ気持ち悪い。』

MG「ねぇ。」

『なに？』

時間が長く長く感じた。

どれくらいか黙って、ミンギュは立ち止まって言った。

MG「もう、俺ら喧嘩するのやめよう。」

『…なに急に。』

MG「誰でも喧嘩は気分が良くないでしょ。
いつか、いつか取り返しのつかないことになるんじゃないかって怖い。」

ミンギュの目はいつになく真剣だった。

・

後日

【DK side】

MG「はいこれ。」

『…ジャージ？なんでお前が持ってんの？』

俺はAに貸したはずなんだけど。

MG「なに？そんなにAの家の匂いがよかった？」

じろっとこっちを睨むミンギュでわかった。

あー、こいつ、Aと同じ匂いがするって言うのが許せないんだなって。

どんだけ束縛してんだよ。

『はは、かわいいやつめ。』

MG「っやめろ！うざい！」

お前とAがくっつくのはいつだろう…。

・