10話「過去のお話」 ページ10
私が17歳の時だった
その時はまだ普通に暮らしていた
家族がいて
生活するのに困る事もない
近所の人たちも優しいし
平凡な毎日だった
「じゃあ、ちょっと遊びに行ってくるね!」
「えぇ。早く帰ってくるのよ」
「分かってるって!」
その日私は近所の友達とショッピングの予定だった
いつもよりお洒落をして気分は高まっていた
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい」
母さんはニコリと優しい笑顔をこちらに向けながら手を振る
父さんも新聞から目線だけをこちらに向け、ニコリと微笑んでいた
軽い足取りで外へ飛び出す
外は晴れており、雲ひとつなかった
それから、友達と丸一日外を歩き回った
母さんにはネックレス
父さんには腕時計をお土産として買った
「A〜自分の分買わなくてもよかったの?」
「うん!親孝行くらいしないとね」
「あんたの家族はいつも仲良さそうよね」
「また今度、海外に旅行に行くんだ!」
「そうなの!?いいなぁー・・・お土産買ってきてね」
「ふふっ分かってるって」
談笑しながらオレンジ色になった道を歩く
オレンジというより赤と言ったほうがいいのだろうか
どっちにしろとても綺麗な夕日であった
「じゃ、ばいばい!A気をつけて帰るのよ?」
「うん、分かってるって!ばいばい」
友達に別れを告げてからお土産のネックレスと腕時計を買い物袋から取り出す
ネックレスは夕日の光に当たってキラキラと輝いていた
それは腕時計も同じであった
「喜んでくれるかな・・・?」
母さんと父さんの嬉しそうな笑顔を想像するとニヤリと笑ってしまう
早く家に帰ろうと思うとつい駆け足になってしまう
家に着いた頃には額にうっすらと汗が滲んでいた
また母さんに「女の子なんだから」っていいながら汗を拭われるのかな
それを見て父さんはいつもの優しい笑みを浮かべてくれるのかな
「・・・?」
あれ?可笑しいな
なんで電気を点けていないんだろう
また母さんが居眠りでもしてるのかな?
父さんが急に仕事が入ったのかな?
胸がざわざわする
変だなぁ・・・家の中に入りたくない
入ったら 何かが変わってしまう気がする
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ぷよっち(プロフ) - 夢乃ココロさん» コメントありがとうございます!いい話と言ってもらえてとても嬉しいです。学園のお話も、考えてみようと思います!! (2015年4月28日 18時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
夢乃ココロ(プロフ) - すごく悲しくて、でもすごいいお話でした!!今度はぜひ学園の方とかも見てみたいです(笑) (2015年4月26日 20時) (レス) id: 764d19a4a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - キヨレトloveさん» コメントありがとうございます!そんなに喜んでくださり、とても嬉しいです^^長文ありがとうございます! (2015年4月13日 19時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
キヨレトlove - ふわぁぁぁあああ!!泣きました(( すごい作品ですこれは。本当にすごいです。すごい。うんすごi((殴 感動しましたぁぁぁああ!!この作品を作ってくださってありがとうございました(TT (2015年4月13日 16時) (レス) id: ddf32769be (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます!こういうエンディングでも良いのかと悩みましたが、喜んでもらいとても嬉しいです!次回作も早く作りたいと思います! (2015年4月2日 7時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷよっち | 作成日時:2014年9月24日 14時