４２話アブ視点「走り出せ！」 ページ42
「夫たる者よ。汝、健やかなる時も、病める時も、常にこの者を愛し、慈しみ、守り、助け、この世より召されるまで固く節操を保つ事を誓いますか」
「・・・誓います」
「妻たる者よ。汝、健やかなる時も、病める時も、常にこの者に従い、共に歩み、助け、固く節操を保つ事を誓いますか」
「誓います」
ついにこの時がきた
みんなが俺を見ている
俺の胸はドクドクと強く鳴って、ジワリと汗が滲んできた
緊張する・・・
失敗してはいけない
良き式にしなくてはならない
『だから、アブ王子はすごいですね』
！？
突然、頭に流れ込んできた声
それは俺が初めてAに会ったその日に俺にくれた支えの言葉
初めての同い年の親友・・・
・・・親友？
そこで俺は疑問に思った
何でこんなにAの事ばかり考えるのだろう
親友だから？それも初めての
今はアリス以外の女性の事を考えるのはどうかと思う
けれど頭から離れない
『この結婚は坊ちゃんが・・・本当に望んでいる結婚なのでしょうか』
今日、チェルィに言われた言葉
・・・何か、もうすぐに答えが分かっているはずなのに
出てこない
「では、指輪の交換を」
神父の言葉にハッとしてササッと指輪をアリスの薬指にはめる
その指輪はキラリと太陽に反射して輝いて
より一層アリスを美しくして見せた
・・・そういえば、Aは装飾品には興味がないと言っていたな
この指輪とか、Aに似合うと思うけどな
「ではベールをあげてください。誓いのキスを」
アリスと向かい合って、ベールをあげる
そして、アリスは目を瞑り待っていた
後は、俺がキスをすればいいだけ・・・
俺がアリスに顔を近づけるたび脳裏を掠めるAの顔
今まで色んな表情を見てきた
俺に新しい世界を見せてくれた
心を開いてくれた
俺の悩みを聞いてくれた
俺が・・・
・・・俺が初めて好きになった人
この時、アブは走り出していた
人々はそれに大騒ぎ
大変な事をしてしまったのは分かっている
けれどアブは足を止める事はなかった
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ぷよっち(プロフ) - 夢乃ココロさん» コメントありがとうございます！いい話と言ってもらえてとても嬉しいです。学園のお話も、考えてみようと思います！！ (2015年4月28日 18時) (
レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
夢乃ココロ(プロフ) - すごく悲しくて、でもすごいいお話でした！！今度はぜひ学園の方とかも見てみたいです（笑） (2015年4月26日 20時) (レス) id: 764d19a4a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - キヨレトloveさん» コメントありがとうございます！そんなに喜んでくださり、とても嬉しいです＾＾長文ありがとうございます！ (2015年4月13日 19時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
キヨレトlove - ふわぁぁぁあああ！！泣きました(( すごい作品ですこれは。本当にすごいです。すごい。うんすごi((殴 感動しましたぁぁぁああ！！この作品を作ってくださってありがとうございました(TT (2015年4月13日 16時) (レス) id: ddf32769be (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！こういうエンディングでも良いのかと悩みましたが、喜んでもらいとても嬉しいです！次回作も早く作りたいと思います！ (2015年4月2日 7時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷよっち | 作成日時：2014年9月24日 14時
