【実況者】高嶺の花【アブ】

４１話アブ視点「怒り」 ページ41

「あ！アブさん」

後ろを振り向くとアリスが純白のドレスを着てこちらに近づいてきた

「アリスさん・・・とても似合ってますよ」

「まぁ！嬉しいですわ」

そう、とても綺麗だった
ウエディングドレスを着たアリスさんを見て
まるで天使がそこに居るかのような錯覚さえ見えてくる

「私、今日の事一生忘れませんわ！とても幸せすぎて・・・」

「うん・・・俺もだよ」

アリスに向かって微笑んだ
絶対に幸せな家庭にしようと、決めた

そのとき

「やぁやぁ〜兄さん！おめでとう」

パチパチと手を鳴らしながらイブが視界に入ってきた

「イブ・・・」

「あっ！・・・イブさん」

イブはアリスをチラリと見た後、何も言わずに俺に近づいてきた
そしてニコリと爽やかな笑みをして

「本当に嬉しいよ！兄さんが結婚できるだなんて・・・Aさんも喜ぶだろうなぁ〜？」

A！

イブがAの名前を口に出した時、俺は何故か胸が締め付けられたかのように苦しくなった

「Aさん、来てくれるのかな？あ、でも家の事で忙しいから無理かなぁ？」

「・・・イブ、何の用だ」

「おぉー！怖い怖い・・・何そんなに怒ってんの？こんなめでたい日に」

「は？」

怒っている？俺が？

・・・なんで

「怒ってないかいない・・・」

「ふーん、まあいいや。すぐに式が始まるから来て下さいって言ってたよ」

「あぁ・・・アリスさん、早く行こう」

「え、えぇ・・・」

俺はアリスさんの手をとって会場へと歩を進めた
この時、俺はずっとイライラしていた

なんでなんだ・・・冷静になれよ、俺

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