３１話「苦しい」 ページ31
イブ君に手を引かれて表通りに出る
いつも賑やかな街だが、今日は一段と騒がしかった
「イブ君・・・今日って祭りでもあったっけ？」
「無いけど・・・まぁ、祭りみたいな事してるけどね」
「どういう事？」
私の問いには答えずイブ君は人が集まっている方へ歩き出す
「え、ちょ・・・イブ君」
「今日は本当にめでたい日なんだよ！その人が幸せそうで僕は嬉しい」
「イブ君？」
笑っている。そう、イブ君は私に向かって笑っているのだ
別に不自然な事じゃない。そんな事は理解している
けれど、不気味なのだ
でも何が不気味なのか分からない
今日の天気が悪いからなのか
街の様子がいつもと違うからなのか
イブ君が笑っているからなのだろうか
それとも、目に光がないから・・・？
いや、光はある。外の光に反射して『映っている』だけの光が
けれどイブ君の目は輝きが見えない
「ほら、あっちを見てみなよ。会いたいと思っている人がいるよ」
見てはいけない
見てしまったら何かが失われるような気がする
そう思いながらもゆっくりと顔を上げる
嫌だと思っていても体が勝手に動いている
「・・・・アブ」
「親友が幸せになってよかったね」
「兄さんは結婚する事になったんだ。金持ちのお嬢様とね」
「あ、もしかして兄さんの事好きだった？」
「なんて、そんな訳ないよね・・・だって親友だもんね」
そこには台の上に乗っている２人の男女が居た
ふたりともとても綺麗な顔をしており、お似合いというやつだ
ニコニコと笑う二人を見て私が何故か苦しくなった
眩しすぎる・・・最初から分かっていた
アブは私にとって眩しすぎて違う世界の人だ
いままで近くに居たのがありえなかったのだ
「あたり前じゃん。アブとは親友だよ？好きの意味が違うよ」
「だよね、じゃあなんでそんなに苦しそうな顔をするの？祝福してあげないと」
「人ごみに気持ち悪くなっただけだよ・・・イブ君、アブに『おめでとう。末永くお幸せに』って言っておいてくれるかな？こんなに騒がしかったら私の声は届かないよ」
「そう？分かったよ。僕が兄さんに伝えておく」
「うん。ありがとう」
私は二人を見るのをやめた
何故か苦しくなるから
理由は分からない
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ぷよっち(プロフ) - 夢乃ココロさん» コメントありがとうございます！いい話と言ってもらえてとても嬉しいです。学園のお話も、考えてみようと思います！！ (2015年4月28日 18時) (
レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
夢乃ココロ(プロフ) - すごく悲しくて、でもすごいいお話でした！！今度はぜひ学園の方とかも見てみたいです（笑） (2015年4月26日 20時) (レス) id: 764d19a4a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - キヨレトloveさん» コメントありがとうございます！そんなに喜んでくださり、とても嬉しいです＾＾長文ありがとうございます！ (2015年4月13日 19時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
キヨレトlove - ふわぁぁぁあああ！！泣きました(( すごい作品ですこれは。本当にすごいです。すごい。うんすごi((殴 感動しましたぁぁぁああ！！この作品を作ってくださってありがとうございました(TT (2015年4月13日 16時) (レス) id: ddf32769be (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！こういうエンディングでも良いのかと悩みましたが、喜んでもらいとても嬉しいです！次回作も早く作りたいと思います！ (2015年4月2日 7時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷよっち | 作成日時：2014年9月24日 14時
