２９話「歯車にヒビが入った」 ページ29
アブが部屋に入ってきた時、表情が強張っていた
何故そんな顔をしたのかは今の私には分からなかった
「アブ？どうしたの」
「え、あぁ・・・いや。なんでもないよ」
そう言って笑うが、いつもとは違う貼り付けたような笑みに
私は疑問しか抱かなかった
「兄さんも来た事だし、ちょっと席を外そうかな。じゃあねA」
そう言ってAの髪を手にとって
唇が少し触れる程度のキスをした
「！？からかうんじゃないよ、全く・・・」
「ふふっ・・・じゃーね。二人とも」
イブが部屋を出て行った
が、アブはその場から動こうとしなかった
じっと床を見つめて瞼は半分おちていた
「・・・アブ？」
名前を呼んでも動かない
「どうしたの？」
まるで人形のように固まっている
綺麗な顔がより一層、人形に見えてしまう
「アブ！！」
「っ・・・あ、ご、ごめん。ボーっとしてた」
「大丈夫？もしかして私の風邪うつっちゃった？」
「ち、違うよ！大丈夫！元気だよ」
ニコリと笑顔を見せてベットの近くにあった椅子に座る
「ほら！Aのためにお粥作ってきたんだよ」
「へぇ・・・アブって料理できたんだ」
「簡単なものくらいしか出来ないけどねー」
そう言ってスプーンで少しだけすくって
私の目の前にズィッ！っと寄せてきた
「はい。あーん」
「なに言ってんの、子供じゃあるまいし」
「えー？いいと思ったんだけどなぁ・・・」
口を尖らせてぶーぶー言ってるアブからスプーンをとって自分で食べる
「ん、美味しい」
「本当！？よかったぁー」
「良いお嫁さんになるよ」
「・・・なんか複雑」
ご飯を食べている時も食べ終わってからも
私とアブはずっと話をしていた
楽しい時間はあっという間に過ぎて
もう、外は茜色に染まっていた
「今日は本当にありがとうねアブ。屋敷の人にも言っておいて」
「うん！みんなに言っておくよ」
「じゃ、バイバイ」
「気をつけてね！バイバーイ」
お互いに見えなくなるまで手を振り続けた
次に会うのがより一層楽しみになった
「アブ」
「あ、お父さん」
「さっきの子は・・・アブとどういう関係なんだい？」
「Aの事？Aは俺の親友なんだよ！」
「それなら良かった・・・アブ、ちょっと話があるから後で私の部屋に来なさい」
「？・・・分かったよ」
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ぷよっち(プロフ) - 夢乃ココロさん» コメントありがとうございます！いい話と言ってもらえてとても嬉しいです。学園のお話も、考えてみようと思います！！ (2015年4月28日 18時) (
レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
夢乃ココロ(プロフ) - すごく悲しくて、でもすごいいお話でした！！今度はぜひ学園の方とかも見てみたいです（笑） (2015年4月26日 20時) (レス) id: 764d19a4a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - キヨレトloveさん» コメントありがとうございます！そんなに喜んでくださり、とても嬉しいです＾＾長文ありがとうございます！ (2015年4月13日 19時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
キヨレトlove - ふわぁぁぁあああ！！泣きました(( すごい作品ですこれは。本当にすごいです。すごい。うんすごi((殴 感動しましたぁぁぁああ！！この作品を作ってくださってありがとうございました(TT (2015年4月13日 16時) (レス) id: ddf32769be (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！こういうエンディングでも良いのかと悩みましたが、喜んでもらいとても嬉しいです！次回作も早く作りたいと思います！ (2015年4月2日 7時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷよっち | 作成日時：2014年9月24日 14時
