検索窓
今日:24 hit、昨日:3 hit、合計:35,861 hit

24話「夢」 ページ24

気が付いたら辺りは暗闇だった

自分が立っているのか座っているのか
もしくは浮いているのかも分からない

「夢・・・なのかな」

それにしてはつまらない夢だ

可愛らしい人形もなければ恐ろしいモンスターも居ない
ドキドキしたりわくわくしたりハラハラしたり
もっと面白いモノだった気がするんだけどな・・・?

今の状況を一言で説明するとまさに『無』である

「早く覚めないかな?」

暗闇の世界を眺めながら早く目が覚める事を願う

そうすると、私の願いがどこかに届いたのか
いきなり目の前に画面が出てきた

「テレビ・・・?」

家には無いテレビをまじまじと見つめていると、急に電源が入り
色鮮やかな映像が流れた

そこにはまだ両親が生きていた時の姿が映し出されていた
2人は私に笑みを向けながら楽しそうに何かを話していた

「これは・・・あの日の映像だ」

私が最後に見た両親の笑顔
この笑顔だけは今になっても忘れる事はなかった


突然映像は早送りになって、私の両親が殺された所まで飛んだ
ピクリとも動かない犯人と親を見て急に倒れた私が映っている

そういえば、両親が死んだという理由で泣いたのってこのときだけなんだよね

「あの時は自然に涙が出て・・・」

「本当は悲しいのに強がっちゃって」

「弱い人間のくせに」


急に、目頭が熱くなってくる
忘れかけていたあの感情
本当は気づいていたのかもしれないけれど知らないふりをした

父さんと母さんが死んだなんて嘘だと、心の奥底で思っていた

「・・・っ」

夢の中だからかもしれない
この感情に気づくだなんて

糸がプツンと切れたかのように一気に涙がこみ上げてきた

私は溜まりに溜まっていたこの感情をぶつけようとして
テレビ画面に顔を向ける

手に力を込めて目を見開く、口を大きく開けて・・・そして私は――――

25話「目覚め」→←23話チェルィ視点「不安」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (85 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
146人がお気に入り
設定タグ:実況者 , アブ , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぷよっち(プロフ) - 夢乃ココロさん» コメントありがとうございます!いい話と言ってもらえてとても嬉しいです。学園のお話も、考えてみようと思います!! (2015年4月28日 18時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
夢乃ココロ(プロフ) - すごく悲しくて、でもすごいいお話でした!!今度はぜひ学園の方とかも見てみたいです(笑) (2015年4月26日 20時) (レス) id: 764d19a4a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - キヨレトloveさん» コメントありがとうございます!そんなに喜んでくださり、とても嬉しいです^^長文ありがとうございます! (2015年4月13日 19時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
キヨレトlove - ふわぁぁぁあああ!!泣きました(( すごい作品ですこれは。本当にすごいです。すごい。うんすごi((殴 感動しましたぁぁぁああ!!この作品を作ってくださってありがとうございました(TT (2015年4月13日 16時) (レス) id: ddf32769be (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます!こういうエンディングでも良いのかと悩みましたが、喜んでもらいとても嬉しいです!次回作も早く作りたいと思います! (2015年4月2日 7時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぷよっち | 作成日時:2014年9月24日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。