２３話チェルィ視点「不安」 ページ23
その日はいつもと変わらぬ朝だった
いつもの時間に起き、身支度をして門の前に立つ
「おかしいなぁ・・・」
Aさんが来ない
何かあったのだろうか、もしかして事故？
でもこんな朝早くに馬車はあまり走らないし・・・
心配だ
腕時計を確認すると、５時２５分だった
１５分も遅れている・・・
針が進むにつれ、不安が募っていく
「Aさん・・・」
もう一度時計を確認すると５時３０分であった
ここで待っている事が歯痒くなり、探しに行こうと前を向くと
「！」
Aさんがいた
私は胸を撫で下ろして、ホッとした
よかった・・・何事もないみたいだ
安心した私はAさんに歩み寄った
いつもの笑みを浮かべながら「すみません、おくれちゃって・・・」と言うのだろうか
とにかく、こんなに遅れてしまった事情でも聞こう
そう思っていた
いきなりAさんが前のめりに体制を崩した
思わず私は「Aさん！」と叫ぶように名前を呼びながら駆け寄る
そして、なんとか地面にぶつからないように支える事ができた
「Aさん！起きて下さい！・・・Aさん！！」
腕の中で苦しそうに眠るAさんに声を掛ける
だが、一向に起きる様子はなかった
Aさんの額に手を当てるとじんわりと汗がにじみ出ていて、熱かった。それに息も荒い
「大変だ！すぐに医務室へ運ばないと！！」
Aさんを持ち上げて走って医務室へ向かう
途中ですれ違ったメイドに氷枕を用意するように頼んだ
驚いた顔をしたが、状況を察してくれたようで他のメイドに部屋の準備をするように命令していた
ここの召使達は皆、察しがよくて助かる
「チェルィさん！部屋の準備が出来ました」
「ありがとう、もし王が起きていたら状況を説明してくれ」
「分かりました！」
「あと、薬とタオルを後で持ってきてくれるか？」
「了解です！」
そういうとメイドは敬礼のポーズをとって早足で去っていった
それを確認して、私はAさんをベットに下ろす
「Aさん・・・」
Aさんの手をとり、かるく握る
「貴方が倒れて、心配する人が沢山いるんですよ」
だから
「だから早くあの『笑顔』を見せてください」
かすれた声で言う小さな声は誰の耳にも届く事はなかった
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ぷよっち(プロフ) - 夢乃ココロさん» コメントありがとうございます！いい話と言ってもらえてとても嬉しいです。学園のお話も、考えてみようと思います！！ (2015年4月28日 18時) (
レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
夢乃ココロ(プロフ) - すごく悲しくて、でもすごいいお話でした！！今度はぜひ学園の方とかも見てみたいです（笑） (2015年4月26日 20時) (レス) id: 764d19a4a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - キヨレトloveさん» コメントありがとうございます！そんなに喜んでくださり、とても嬉しいです＾＾長文ありがとうございます！ (2015年4月13日 19時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
キヨレトlove - ふわぁぁぁあああ！！泣きました(( すごい作品ですこれは。本当にすごいです。すごい。うんすごi((殴 感動しましたぁぁぁああ！！この作品を作ってくださってありがとうございました(TT (2015年4月13日 16時) (レス) id: ddf32769be (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！こういうエンディングでも良いのかと悩みましたが、喜んでもらいとても嬉しいです！次回作も早く作りたいと思います！ (2015年4月2日 7時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷよっち | 作成日時：2014年9月24日 14時
