暗殺教室&カゲプロ～目つきの悪いボクっ娘が３-Eにやってきた～４ (ページ10)

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ⅩⅠ ページ10

『……っ、はぁ、はぁ……』

救急車を追いかけてどれくらいたったのかはわからないけれど、目の前には大きな病院が。
倒れていた男の子と、その付き添いの＿＿コノハは、病院の中へと入って行く。

「あっ……、Aさん、もう少し、行けそうですか！？」

『きついけど大丈夫……』

病院の中に入り、さっきの少年が運ばれた部屋を探す。
……フロントの人より、歩いている看護師さんに聞いたほうがいいかな。

・

『あの！』

急ぎ足で近くを通りかかった看護師さんを呼び止める。

『さきほど、少年がここの病院に運ばれてきませんでしたか！？
付き添いの青年がいる……』

「えぇ、運ばれてきましたが……あの子の親戚か何かですか？」

『姉です！弟が運ばれたと聞いて駆けつけて……』

「お姉さんでしたか、あの少年なら３階の診察室に運ばれて行きました」

『ありがとうございます！』

３階の診察室。
エレベーターを待っている暇もないので、階段を２段飛ばしで３階まで駆け上がる。
そして診療室の前へ＿＿

「……！いた、さっきの……」

診察室の前には、付き添いの少年の、コノハが椅子に座っていた。

「……？えっと……」

僕達に気付き、誰だろうと首をかしげる。
……やっぱり、覚えてないのかな。
確信を持てずにいると、スマホが震え、エネちゃんが「この人と二人きりにしてください」と言ったので、コノハにスマホを渡して椅子に座った。

……かなり疲れた。あれだけの距離を全力疾走する機会はほとんどないだろうし。
深呼吸をしていると、ふと足音が。

「はぁ、やっと追いついた……」

エレベーターホールからこちらへと歩いてくる人物＿＿シンタローが僕を見て言った。

「お前、オレのスマホどうしたんだよ」

『ちょっとあの白髪の青年に貸してる』

「はぁ！？なんで……」

『ちょっとこっちの事情でね。エネちゃんの頼み事でもあるし』

「……そうかよ」

『それにしても……』

シンタローは、やっぱり覚えてないんだね。

「……？何か言ったか？」

『何も。
……あ、戻って来たみたいだけど』

コノハがシンタローのスマホを片手に、ぼうっとこちらを見ている。

「えっと……、これ」

スマホを渡され、それをそのままシンタローに返す。

『……エネちゃん、どうだった？』

大体予想はついているが、一応聞いてみる。
エネちゃんは僕のスマホに移り、バイブを鳴らした。