Twins ～Ｋei .I ～ 3 (ページ33)

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確か裕翔くんの家に来たのが10時頃だった
あれからどのくらい経ってるのかな

まだ光が入ってくるってことは、昼間だよね
部屋は暖房も完備されているのか寒くない

「やっぱり私をここに連れて来たのは……裕翔くんのお母さんだよね……」

私のことをどうするつもりなんだろう

考えてみて不安になった

「やめよう……今これ以上考えたら悪いことしか出てこないかも」

足首の鎖を引っ張ってみたけれど、ジャラジャラと音がするだけで外れる様子はない

「慧に……会いたいよ…」

ポタポタとまた涙が落ちた
慌てて両手で涙を拭う

また弱気になっちゃった
大丈夫、きっと慧がいつものように見つけてくれるはず

『まぁーたこんなとこにいてぇ』

そう言って笑いかけてくるんだ慧が
だから、大丈夫
大丈夫だ私

”ガチャン”

鍵を外す音がしてドアが開く

少し身構えると音のした入り口を見た

「あら、起きたのね夏香さん」

「あ、あのっ！私、母じゃないです。
だからここから出して下さい！」

「可哀想に。忘れちゃったのね」

近づいてきた裕翔くんのお母さんが、私の前に屈み込む
手を私の顔の前に突き出した
ぶたれるかと思って身体がビクリと跳ね上がる
けれどその手は私の頭を撫でた

「夏香さん、あなたは病気なのよ。
病気の人はね、白いお部屋に閉じ込めておくの」

白い部屋？

確かにこの部屋の中は全て真っ白で病室を連想させる

「じゃないとまた、あなたは悪い事をするでしょう」

＿＿＿＿＿人の物を盗むっていう病気

微笑む彼女の唇は……
血を吸ったように艶々に光る真っ赤な色をしていた