Twins ～Ｋei .I ～ 3 (ページ18)

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慧「母ちゃんもお見通しだぞ」

大声で笑い出したいのを堪えてか、慧が目を細めて喉の奥で笑う
冷えてしまっているので、温め直すと私に差し出した

慧「ほいっ、食べな」

「ありがと……いただき…ます」

両手で持つと、ぱくりとかぶりついた

「おいひぃ」

塩をまぶっただけのおにぎり
けど、今の私には胃に染み渡る

「おいしぃよぉ……んぐっ…っえっ…」

慧「ばーか、食べるか泣くか、どっちかにしろって」

はにかみながら、慧がぐしゃぐしゃと私の頭を撫でる

慧「全く、何回泣くんだよ。この泣き虫」

「おいしすぎるんだもん…それだけだよぉ」

慧「素直じゃないよねAは」

おにぎりを頬張る私に、お茶飲む？って、自分の分と私の分を用意してくれた

慧「熱いから気を…」

「あっ、つーい‼ 」

慧の言葉に被せるようにして叫んだ私

慧「おまえねぇ…猫舌の自覚あんの？」

気をつけろって言われる前に、お茶に口をつけて、熱い！と騒ぐ私に慧は呆れた表情

慧「期待を裏切らない奴、Aは」

「いーの」

おにぎりを平らげると、今度は注意してお茶を飲んだ

「おいしかったぁ……なに？、なんかついてる？」

慧が目を細めて笑顔で凝視してくるもんだから、私は怪訝な表情を浮かべてみせた

慧「幸せそーでなによりって」

「満足ですから」

慧「で、明日っからまた、夜食べちゃったから、太っちゃう～って」

ニマニマしながら私の声真似をして、慧は1人で笑い転げた

「ケンカ売ってるでしょ」