第三十七話 ページ40
「到着いたしました」
「ありがとう」
「ありがとうございました」
遠くからも見えていたが、近くで見ると圧倒される建物のデカさ。夜の暗い空にキラキラチカチカと光るここはいかにも、宝石会の会場だ。私達以外にもキラキラした装いの人々がそこに入っていくのが見える。
イルミが先に車を降り、私も続けて降りようとする。
そうすると、イルミが手を差し伸べてきた。
「A、今から俺とお前はパートナーだから。」
「……口説いてる？」
「バカ？そういう設定でいこうって言ってんの」
「ジョークだって……そういう感じじゃないと入れないんでしょ？ここ」
なんとなく周囲を見て気づく。ここ、男女ペアじゃないと入れないんだ。だから私をここによこしたのかあの爺さんは……いや私じゃなくても家の人とか適当に女作ればよかったよね……？まぁお金もらえるしなんでも良いのだけど。
でも何故男女なんだろう？宝石見るだけの場所に、パートナーなしの人間が参加できないのはなぜ？
そう考えていたのが表情に見え透いていたのか、イルミがため息混じりに言う。
「ジュエルの創る宝石の原料は非処女の女だ」
「……キモ……」
キモい。心からの言葉だった。きっとジュエルという奴は……結構な
「え、もしかしてさっきの『帰れるかわからない』ってやつ、私が宝石になるかもしれないからってこと？」
「え？いや別にそういう意味では言ってないというか、普通に何事もなく入口だったところから出られたらいいねっていう話……え、A、えーと、そのー……怪しい人には注意するんだよ」
「はいはい私は可憐な少女じゃないので宝石にならないように気をつけますよ」
なんだこの気まずさ。どうしてくれるんだ。流石のイルミもちょっと言葉選んだぞ。めちゃくちゃ気遣わせてるじゃないか。"ジュエル側の人間に変なことされるなよっていう忠告を直接言うのはどうなのかな……"と悩んだ結果その言葉になったんだろ分かるぞ。あージュエルとかいう異常性癖野郎今すぐ始末したいな。
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カンナ(プロフ) - うわぁぁめちゃくちゃいいです最高です！！！続き楽しみにしています！！！ (2月3日 6時) (
レス) @page44 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
sumire - 詩的な言い回しと駆け引きに、臨場感あふれる表現達が本当の本当に面白くて、一気に読んでしまいました。好みどストライクの作品に出会えて嬉しいです、更新待ってます。 (6月13日 20時) (レス) @page43 id: 5a6444f9d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーちゃ | 作成日時：2021年9月9日 21時
