第四話 ページ4
瀕死、月、女、魔法、味。これらの単語の羅列だけで俺の人生の半分を説明できる。内容ではなく時間での半分。きっと人生の半分くらいはそのことについて考えていた気がする。
あの時間、一瞬たりとも不確かなものはない。全て鮮明に思い出せる。今まで盗ってきた美しい財宝よりも遥かに華美で何かに満ちているもの。今となっては愛でることも出来ない己だけの記憶。
粥を食べた後、彼女はココを出ていった。
｢じゃあね少年。人生楽しめよ｣
無責任な言葉を残して、俺の前から消え去った。
残された俺と彼女の家は誰のものでもなくまだ存在している。定期的に家を覗きにいくが、いつも人気はない。内装はいつまでも変わらない、ココにあるには不自然な生活感。
狙った獲物は逃がさない。どの時代の盗人もそう言っていた。名前も何も分からない相手だと少々分が悪いが、そんなの知ったこっちゃない。
貪欲に、強欲に、己の持つ力を全て使ってでも捕まえる。どれだけ細い糸の繋がりだとしても、死ぬ気で手繰り寄せて捕らえる。
何回目の満月か、窓から光を流し込んだ。
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カンナ(プロフ) - うわぁぁめちゃくちゃいいです最高です！！！続き楽しみにしています！！！ (2月3日 6時) (
レス) @page44 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
sumire - 詩的な言い回しと駆け引きに、臨場感あふれる表現達が本当の本当に面白くて、一気に読んでしまいました。好みどストライクの作品に出会えて嬉しいです、更新待ってます。 (6月13日 20時) (レス) @page43 id: 5a6444f9d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーちゃ | 作成日時：2021年9月9日 21時
