第十七話 ページ17
｢これで半分……結構大きい｣
｢世界各国から美術品が集まってるってことを全面に売ってる展覧会ですから。大分規模は大きい方ですね」
「ちょうど真ん中あたりにご飯屋さんをおくところ……商売の匂いがキッツいな」
「商売の香りにつられて、僕達もお昼にしません？勿論僕のお金で。」
「お言葉に甘えるわ」
お昼時になった頃、クロロからの素敵な提案で一旦ご飯にすることとなった。何から何までお金を出してもらっている気がするが、一体そのお金はどこから湧いているのだろうか。美術展のチケットだって安くはないだろうし、そこに併設された飲食店だってさぞ高級なものだろう。それらを満喫するためのお金を全て出してくれている……どこの富豪だ。クロロ、何者なんだよ。
｢……中は思ったより空いてるのね｣
｢……本当だ。不思議ですね。｣
いかにも、な雰囲気のお店だったから、てっきり中は品の良い服を来たお金持ちばっかりかと思っていたのに。美術展自体にはたくさんの人が来ていたから、ただタイミングがズレただけなのだろうか。
｢＿＿＿＿失礼します。お客様でしょうか？｣
横からそう話しかけられ、パッと声の方に顔を向けた。明らかにここのお店のスタッフさんだ。キチッとした正装に身を包んでいて、やはりお高いお店だったか、と考えた。
｢ええ、そうですが……｣
｢現在ならば直ぐにお席をご案内できますが、いかがなさいますでしょうか｣
｢勿論、入りましょう。いいですよね？｣
｢……ええ……｣
微笑んだ彼は、店員の後ろを歩いて店の中へと進んでいった。私も後を追ったが、何故だか感じる不安が少しずつ自分を埋めていっていた。なんでだろう。どうしてこんなにも、彼に"のせられている"気がするのか。手のひらで踊らされているような、ここまで全てが彼の頭の中のような。
｢……Aさん？どうかしました？｣
｢……いや、お腹空いたなぁと思ってさ｣
｢これから満たされるんですよ｣
そう言って笑った彼の表情は、文句無しの百点満点だった。
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カンナ(プロフ) - うわぁぁめちゃくちゃいいです最高です！！！続き楽しみにしています！！！ (2月3日 6時) (
レス) @page44 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
sumire - 詩的な言い回しと駆け引きに、臨場感あふれる表現達が本当の本当に面白くて、一気に読んでしまいました。好みどストライクの作品に出会えて嬉しいです、更新待ってます。 (6月13日 20時) (レス) @page43 id: 5a6444f9d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーちゃ | 作成日時：2021年9月9日 21時
