第十五話 ページ15
集合時間十分前に美術展へ着くと、彼はもう既にそこにいた。壁にもたれ掛かって本を読んでいる姿はただの格好のいい青年なのだが、誰もこいつが流星街出身だとは思わないだろう。あの大規模なごみ捨て場(と勝手に言っている)に住んでいた奴とはあまりにも思えない。清潔感ダダ漏れで妙に都会ボーイっぽい。服装は上から下まで真っ黒、といった感じなのになぜオシャレに見えるのか。全身黒だよ？一体一般の人間とこいつは何が違うんだろう。
｢どうも。待たせた？｣
そう声をかけると、本から視線を上げ、私と視線がかち合った。前会ったときにつけていたピアスをネックレスにして、耳には十字架がぶら下がっている。他の人がこんな格好をしていたら明らかに厨二病なのに、彼だと爽やかなダークコーデになってしまうのは何故だろう。顔なのかな。
｢いいえ全然。ちょうどキリがいいところで来てくれました｣
本の表紙を人差し指でコツコツと指しながら言う。こういうことをサラッと言えてしまうあたり、慣れてるんだろうなぁと感じた。キリが良くても良くなくても言えちゃうんだろうな。
｢さ、僕がエスコートしますよ。お姫様？｣
｢何言ってんの。貴方が誘ったんだからエスコートすんのは当たり前でしょうが｣
｢ははっ。確かにそうですね｣
思ってるんだが思ってないんだか、上手く考えは掴めなかったけれど、まぁ手のひらで踊らされるデートも楽しそうかもなと心を振り切り、彼の差し出した手をとった。
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カンナ(プロフ) - うわぁぁめちゃくちゃいいです最高です！！！続き楽しみにしています！！！ (2月3日 6時) (
レス) @page44 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
sumire - 詩的な言い回しと駆け引きに、臨場感あふれる表現達が本当の本当に面白くて、一気に読んでしまいました。好みどストライクの作品に出会えて嬉しいです、更新待ってます。 (6月13日 20時) (レス) @page43 id: 5a6444f9d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーちゃ | 作成日時：2021年9月9日 21時
