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三話 ページ4

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No Side

 (家族で鬼になったのか。五対三は不利だ……)
「おらああ!」
伊之助は迷わず、並んで塀の上に立っていた双子の鬼に突進して呼吸を使った。

〈獣の呼吸・参ノ牙 喰い裂き〉

(斬った!)
 しかし、頸は斬れていなかった。

《血鬼術 あぶく囲繞(いじょう)

双子の鬼は斬られる前に、自分達の周囲にしゃぼん玉のような膜を作って攻撃を防いでいた。
「くそっ!」

《血鬼術 あぶく継起(けいき)

双子の鬼は唇を尖らせて息を吹いた。口から小さなしゃぼん玉がプクプクと現れ、目にも止まらぬ速さで伊之助に襲いかかる。

〈獣の呼吸・拾ノ牙 円転旋牙〉

咄嗟に刀を振ったが、すべて塞ぐことはできずにいくつかのしゃぼん玉が伊之助の体に触れて割れた。
「ん……?」
伊之助は不意に眠気に襲われ、塀から落ちた。隣には善逸も倒れていた。
 「お前速いんだけどなあ、速いだけなんだよなあ。まあ、これまでに会った鬼狩りの中じゃ一番だけど、速いだけなんだよなあ」
善逸は兄の鬼の攻撃を避けながら頸を狙うのに霹靂一線を使い続け、疲れて気が緩んだところで頭を殴られて気を失っていたのだ。
(権八郎は……)

 〈水の呼吸・参ノ型 生々流転〉

(まずい、攻撃を全て避けられた!)
「あなた!」
(先に動きの遅い父さんの鬼を斬りたいのに、その度に動きの速い母さんの鬼に父さんの鬼を連れていかれる……。考えろ!)
 どう斬ろうか思考を巡らせた、その一瞬の隙をつかれた。
「ぐはっ!」
「権八郎!」
母の鬼が後ろから炭治郎の頭を殴った。父の鬼が炭治郎を引っ張って伊之助と善逸のところへ連れてくる。
「結局一緒か。今回は違うと思ったが」
「こいつは速いだけなんだよなあ」
「「お腹すいた」」
「じゃあまずは誰から食べようか……」
(ああ、体が動かない……!)
(死ぬのか……)
(終わりだ……!)
 三人が諦めた時。

〈宇宙の呼吸・陸ノ型 流星〉

コトッ……。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 霞柱   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Rabbita | 作成日時:2020年5月9日 14時

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