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二十七話 ページ28

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A Side

 どういうこと!? 私は確かに血鬼術を斬った。なのに、ひどく咳き込む。……もしかして!
「どうだ、俺の血鬼術の味は? この煙はなあ、そんな刀じゃ斬れないんだよ!」
「ふざけるな……」
「しかも、毒が混ざってるんだ。一回吸うとだんだんしびれてきて動けなくなる。そんで、二回吸うと死ぬ」
 大丈夫だ、焦るな私。呼吸を使って毒の巡りを遅らせろ。手足がピリピリするけど、まだ正座してしびれたときの方が痛い。いける。

〈宇宙の呼吸・捌ノ型 うみへび座〉

まずは右足を斬る。次に左腕。そして頸を……。
 「ぐっ……!」
「A!」
私は鬼に右腕で払われた。遠くへ飛ばされないようにその腕を蹴って下に落ちるようにしたのだが、それでも少し離れてしまった。急いで戻らなければ。あの鬼と一対一は危ない。私はとにかく走った。


無一郎 Side

 Aが飛ばされた。つまり、一対一だ。今のところ俺はこの鬼に傷をつけられていないので、なんとか間合いに入りたい。鬼は右足を斬られていて体制を崩している。

〈霞の呼吸・伍ノ型 霞雲の海〉

すれ違う瞬間にたくさんの傷をつけた。再生速度はあまり速くないな。これならいける。
 「お前、一人で俺の頸を斬ろうとしてるのか? はっ、無理だな」
「君こそここで生き残るのは無理なんじゃない? 俺たち、本気だからさ」
「はあ?」

《血鬼術 雲濤煙浪(うんとうえんろう)

鬼は辺り一面に煙を広げた。それなら。

〈霞の呼吸・弐ノ型 八重霞〉

体を大きく捻って煙を巻き上げ、そのまま跳んで頸を狙う。鬼は驚いて反応が遅れ、刃が頸に届いた。斬れる!

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 霞柱   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Rabbita | 作成日時:2020年5月9日 14時

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